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「みんな」の票、どこへ 取り込みたい他党 

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 政界で第三極ブームの一角を担った「みんなの党」。党内対立などから衆院選前に解党が決まると、自民や民主、さらに同じ第三極が支持者の取り込みに躍起になっている。「みんな」の票はどこへ行くのか−。

 原発ゼロなど近い政策もあり、票の流れ込みに期待を高めるのは民主だ。

 民主党滋賀県連は、七月の知事選で党所属の衆院議員だった三日月大造氏が自公推薦の候補を破った勢いに望みをかける。今江政彦県連幹事長は「『みんな』に限らず反自民勢力の結集を訴えていきたい」と強調。滋賀県から出馬予定の民主新人の陣営関係者は「生活重視の政策など近い部分もあった。そうした部分を強調するよう考えたい」と第三極ブームからの票の奪回に意気込む。

 みんなの党は、二年前の衆院選比例代表東海ブロックのうち愛知県内で、三十二万票余を獲得した。民主党愛知県連幹部は「逆風だった前回選挙でみんなの党に流れた比例票が、ある程度は戻ってくるだろう」と分析する。

 同じ第三極の維新の党は前回衆院選は一部で選挙協力した。今年九月には、みんなの党から分かれた結いの党が合流しており、国会議員の定数削減など重なる主張も多い。岐阜4区で出馬予定の維新前職は「われわれの政策を訴えていけば、結果としてみんなの党の支援者に応援していただけるのではないか」と期待を膨らます。

 自民党にも日米同盟を基軸にした外交など共通した主張がある。自民党三重県連は、みんなの党に所属する県議を通じて支援を呼び掛ける方針で、県議側も協力的。自民党県連幹部は「厳しい戦いが予想される他の選挙区でも支援を受けられれば」ともくろむ。

 岐阜県では、前回衆院選でみんなの党からの立候補者はなく、自民党県連幹部は「ほとんど影響はない」とみる。

 そんな各党の皮算用の裏で、前回衆院選で一票を投じた有権者には、憤りとあきらめが漂う。愛知県日進市の無職若松正樹さん(78)は「解党なんて身勝手。時間がかかっても大きくなってほしいと思ったのに。応援する政党がなくて悩んでいる」と投票先の見通しは立たない。

 同県東郷町の主婦(71)も「裏切られた気持ちで政治不信になる。白票でしょうか」とあきらめをにじませる。

 そんな反応を肌で感じてか、各党の一部では冷静な見方も。東海地方の自民前職の陣営関係者は「今回は与党に対する批判票の受け皿が少ない印象。みんなの党を支持していた層の一部は、投票に行かなくなるのではないか。投票率が低くなることで、自民に追い風が吹けばいいが」と予測。民主のある県連幹部は「解党騒ぎで、政治全体に幻滅した有権者が大量に棄権する可能性もある」と話した。