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中部ニュース

公示前、訴え方は? 違法「事前運動」避け工夫

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 衆院解散を受け、事実上の選挙戦がスタートした二十二日、中部地方でも立候補予定者らが三連休初日の街を駆け回り、マイクを握った。ただ、総選挙の公示は十二月二日で、それ以前の選挙運動は公職選挙法が禁止する「事前運動」に当たる。各陣営は通常の「政治活動」の範囲で主張や政策を訴えようと工夫を凝らす一方、グレーゾーンに踏み込んでいる事例も見られた。

 滋賀1区に出馬する自民前職の大岡敏孝さん(42)は「衆議院議員」と書かれた党のたすきにフェルトペンで「元」と書き入れて街頭に立った。「解散した以上、議員ではないので」と陣営関係者。解散後は街角に予定者個人の写真と名前入りのポスターを張るのも禁じられており、選挙区内で大岡さんのポスターを急いではがすよう指示を出した。

 「みなさんに会えて懐かしかった。同じ中学の卒業生として恥じないようがんばります」。名古屋市のホテルで開かれた中学校の同窓会。愛知1区から出馬する自民前職、熊田裕通さん(50)があいさつした。

 ビールグラスを手に各テーブルを回り「今は景気回復が優先。経済に関する統計数字は良くなっているから、もうちょっとがんばれば賃金アップだよ」と政治談議も。しかし、「衆院選」「投票」という言葉は意識して使わなかった。

 一方、中部地方の複数の立候補予定者は、個人名を書いたたすきをかけて街頭に立った。公選法違反の可能性が高いが、ある陣営関係者は「選管から文句を言われたことがない。分かってやっている部分もある」と声をひそめる。

 別の立候補予定者は、本人の横に個人名を書いたのぼり旗を掲げた。本人に問うと「えっ、だめなんですか」と戸惑っていたが、この県の選管は「違反の可能性がある」と指摘した。

 <選挙運動と政治活動> 公選法は、選挙の公正さと金のかからない選挙運動のため、事前運動を禁じている。総務省などによると、選挙期間外に、特定の選挙での投票を依頼する演説や文書の配布をしたり、立候補予定者が街頭などで自身の名を書いたたすきをかけることはできない。ただ、一般的な政治活動の自由を制限するものではなく、立候補予定者が所属政党の主張や自らの政策を訴えることはできる。公示前に「アベノミクスを前進させよう」「安倍政権にストップを」と演説をしても、現状では政治活動の一環とみなされている。