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中部ニュース

短期勝負、早くも舌戦 「実績見て」「解散間違い」

 二十一日の衆院解散を受け、中部地方の前議員や立候補予定者たちが総選挙に向けて一斉に走りだした。アベノミクスの逆風にさらされる自民党、雪辱を期す民主党、生き残りをかける「第三極」。「なぜ今?」と有権者から冷ややかな視線が投げ掛けられる中、師走の選挙戦が事実上、幕を開けた。

 愛知5区の自民前職神田憲次さん(51)は二十一日、解散時に衆院本会議場で万歳三唱しながら、「二期目へリスタート(再出発)するために勝ち上がりたい」と決意を新たにした。

 前回衆院選は、民主党政権に対する国民の失望もあり、前職を僅差で退けて初当選した。与党として迎えた今回は景気失速で「逆風」すら感じる。「危機感はある。日本が再び元気を取り戻して成長できるよう訴えたい」と力を込めた。

 「日本の将来のため死に物狂いで走り回ってきた」。同じく安倍チルドレンで長野1区に立候補する自民前職小松裕さん(52)は、解散後すぐに長野駅前で二年間の実績を訴えた。地方ではアベノミクスの恩恵が感じられないとの声が強いが、「風がどうであれ、二年間やってきたことを評価してもらう」と話した。

 反転攻勢を思い描く民主。前回、県内十五選挙区の二つでしか勝てず、民主党愛知県連幹部は「半分くらいは勝ちたい。民主王国復活の足掛かりにしなくては」と意気込む。

 愛知7区で議席奪回を目指す民主元職山尾志桜里さん(40)は解散後、さっそく愛知県瀬戸市内で街頭演説した。前回は、落選候補の中で全国最多の九万二千票を獲得。この二年は精力的に支援者を回り雪辱を期してきた。「党が安倍政権批判の受け皿になりきれていない。自分の努力でいかに票を積み上げられるか」と気を引き締めた。

 存在感が低下している第三極は危機感を募らせる。解党が決まったみんなの前職杉本和巳さん(54)は愛知10区から立候補予定だが、次の所属政党がはっきりしない。「身の振り方を模索している」と頭を悩ませながら、解散後は愛知県一宮市の事務所に戻り、支持者を集めて運動方針を確認した。「消費税を表向きの争点としながら、集団的自衛権行使容認や原発再稼働まで行われる可能性がある。是非を問いたい」

 「政治家は党名でなく個人名で票を取るのがあるべき姿」と言うのは岐阜4区から出馬予定の維新前職今井雅人さん(52)。前回は第三極ブームもあり、保守王国で比例復活した。その後こまめに地域を回り、選挙区に張ったポスターは二千枚を超す。「難しい選挙。地方が取り残された事実を訴え続ける」と話した。

 三重1区から出馬する維新新人の松田直久さん(60)は二十一日午後、津市でマイクを握ると「安倍総理による安倍総理のための解散。許すことはできない」と自民への対決姿勢を鮮明に。前回衆院選の維新ブームが去り、県内唯一の維新候補となる。「この解散はおかしいんじゃないかということを、きちっとお伝えしたい」と話した。