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中部ニュース

師走選挙にお手上げ 商店主ら「忘年会、お歳暮減るかも」

 二年前に続き、またしても師走に実施される総選挙。年末商戦に向けた準備を進めるデパートや商店街では、前回選挙で選挙違反を恐れて顧客の買い控えが起きたところがあり、商店主らは「年末のかき入れ時にまたか…」とため息をつく。飲食店や観光地でも、客足が遠のくことを心配する声が聞こえる。

 三連休初日の二十二日、買い物を楽しむ若者やお年寄りでにぎわう名古屋市中区の大須商店街。陶器・食器販売店「山マツ」の店主榊原祥光(よしあき)さん(72)は、行き交う人たちを見ても、どこか浮かない顔だ。「年末選挙なんて、商売にはマイナスでしかないよ」

 二年前の衆院選。「選挙に携わる人たちが、選挙目的と疑われかねないと、飲み会やお歳暮を控える空気があった」という。「景気が良くなったのは大企業だけで、個人商店はさらに悪くなった。そこへの年末選挙で、追い打ちを掛けられた気分だ」と嘆く。

 名古屋・名駅のジェイアール名古屋高島屋は、「前回選挙の公示日以降にお歳暮の受け付けが少し減った」という。今回はまだ影響が出ていないが、広報担当者は「今後はふたを開けてみないと分からない」と慎重な姿勢を崩さない。

 名古屋市最大の繁華街「錦三(きんさん)」の飲食店も、かき入れ時だけに選挙は悩みの種だ。クラブを切り盛りするママ(37)は「選挙の応援をしている経営者のお客さんたちが、忙しくて店に来なくなるのが痛いわ」とぽつり。

 二年前の選挙期間中は、お客さんが派手な飲み方を控える傾向があった。「良い結果になれば、打ち上げで使ってくれるかも。それまで頑張るしかない」と、自らに言い聞かせる。

 「十二月の選挙だけは避けてほしかったのに」と話すのは、岐阜市柳ケ瀬にある日本料理店のおかみ、林苗江美(なえみ)さん(66)。柳ケ瀬は例年以上に人通りが少なく、元気がなくなった気がして、アベノミクスの恩恵を感じることはない。「十二月の忘年会シーズンに期待していたのに、本当に痛いです」

 三重県伊勢市の伊勢神宮内宮前にあるおかげ横丁は、投開票日前日の十二月十三日から、正月の縁起物を販売する年末の恒例イベントを予定している。横丁を運営する伊勢福事業本部の服部鎮夫副本部長(42)は、「投開票日前後は旅行に出づらくなるお客さまが多いのでは」と観光客の減少を心配する。