文字サイズ

中部ニュース

私なら…○○解散 市民命名

写真

 唐突に決まった今回の衆院解散は、安倍晋三首相の「身勝手」のためか、「大義名分なし」の「いったん解散」なのか。中部の有権者や識者にどう名付けるかを尋ねた。

 「とりあえず今、解散すれば勝てるし、信任を得たことにできるという魂胆が見え見えだ」。岐阜市の居酒屋店員吉井奈美さん(32)は、解散を長期政権に向けた安倍首相の戦略と位置付け、「勝ち逃げ解散」と命名した。

 「身勝手解散」とした三重県菰野町の主婦、阿部文子さん(67)は「首相は自分のことばかりで、国民のことを考えていないのではないか」。「独裁確立解散」と名付けた名古屋市千種区の会社員野々垣真美さん(53)も「政治の都合による、国民不在の解散だ」と批判した。

 大義に欠けるとの指摘を込めた命名も。名古屋市緑区の無職山本昌市さん(75)は直接的な「大義名分なし延命解散」。「何百億円も使って今やる大義名分はなく政権のご都合主義に思える」と厳しい口調で話した。津市の大学生赤塚達也さん(22)は「やっちゃった解散」と名付け、「そう簡単に解散をやっちゃっていいのか。何を問う選挙なのか」と疑問を呈した。

 景気好転を実感できないという岐阜県可児市の飲食店勤務江上俊彦さん(59)は安倍政権の経済政策アベノミクスに着目し、効果が出ていないことを隠す「ぼかし解散」だと主張した。

 「いったん解散」と名付けたのは、福井県勝山市のスキー場運営会社社員の山崎真也さん(32)。「何が争点か分かりづらく、とりあえず解散したように感じる。消費税増税先送りやアベノミクスへの評価は衆院を解散してまで国民に信を問うことだとは思わない」と争点不在を皮肉った。

有識者らも命名…手厳しく

<政治評論家の森田実氏>

 「長期政権狙い解散」だ。

 国内だけではなく、海外でも「アベノミクスはうまくいっていない」との見方が強くなっている。政権が下り坂にある中で、安倍首相は、転ばぬ先のつえとして、解散に打って出たといえる。

 この総選挙で信任されれば、国内外への発言力が出るし、政権も保持し続けることができる。それを求めて仕掛けたのだと思う。

 解散は多くの場合、政権や権力の強化のためにするものだ。安倍首相は、増税先送りの是非などを挙げたが、政策的なものは後から理屈を付けることができる。現在の野党は事実上、存在感がなく、安倍政権発足から二年たっても何もしていない。「今なら」と判断したのだろう。

< 社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で安倍首相を演じる福本ヒデ氏>

 安倍さんは考えに考え抜いて夜のニュースに合わせて解散を表明したのに、新聞やテレビのニュースの扱いを見ても、高倉健さんの訃報に負けてしまっている。失敗しないようにしてきたのに完全にすべってしまった感じがする。「タイミング外した解散」と名付けたい。

 こけても出だしならば、まだ時間はある。学校の抜き打ちテストでも、最初は「えー」となるが、その後はみんなちゃんとやるようなもの。

 投票は、アベノミクスの是非だけで判断したら、原発再稼働や集団的自衛権の行使容認までも、信任することになってしまう。判断すべきことはたくさんあると思う。