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投票率、最低更新? 見えにくい争点

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 十四日の衆院選投開票に向け、投票率が焦点となっている。選挙に対する有権者の関心が低く、戦後最低の59・32%を記録した二年前の前回衆院選をさらに下回る恐れがある。

 本紙や共同通信社などが公示直後に実施した世論調査では、衆院選に「大いに関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人は計65・9%。一昨年十二月に行われた前回衆院選の同じ時期の調査は78・0%で、10ポイント以上低い。有権者の投票行動に詳しい愛知学院大総合政策学部の森正教授は、この結果を踏まえて「投票率は前回より低くなる可能性が高い」と見る。

 現行の小選挙区比例代表並立制が導入された一九九六年以降三回で、投票率は59〜62%台で推移した。その後、小泉純一郎首相(当時)による郵政民営化が争点となった〇五年は67・51%に上昇。政権選択がテーマとなり、自民から民主への政権交代が起きた〇九年は現行制度下で最高の69・28%を記録している。

 中選挙区制時代も、消費税導入の是非が問われた九〇年や田中角栄首相(当時)の「日本列島改造論」が争点になった七二年、ロッキード事件で政治批判が強まった七六年はいずれも七割を超えている。

 森教授は「結論がはっきりする争点があると投票率は上がる」と指摘し、今回の争点についても「景気対策や福祉など有権者にとって身近なテーマは、政党間の差が見えづらく、選択肢がないに等しい」と解説する。報道各社の世論調査で自民優勢が報じられている点にも触れ、「あまりに一方的な戦いだと、自分の一票で政治が変わらないと思い棄権する人が出てしまう」と述べた。

 総務省によると、七日までの期日前投票者は二百七十万二千六百六十七人で全有権者の2・59%。前回同時期と比べて0・13ポイント増えた。愛知県では七日までに有権者の3・69%(前回同期比0・4ポイント増)、岐阜県では十日までに6・94%(同2・13ポイント増)、三重県では十一日までに7・23%(同0・99ポイント増)が事前に投票を済ませた。

投票所の設営準備に追われる職員ら=名古屋市中区役所で(小沢徹撮影)

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 期日前投票者数が増えたからといって、投票率が上がるとは限らない。早めに投票先を決めた人が前倒しで投票していることが考えられるからだ。森教授は「安倍政権の二年間の通信簿をつけ、今後何年間か国の予算を決めるメンバーを選ぶ貴重な機会。逃さないでほしい」と訴える。

(社会部・戸川祐馬)