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自「推進」公「加憲」共社「反対」 改憲 賛否さまざま

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 衆院選は十四日の投開票に向けて最終盤に入った。改憲を目指す自民党が有利な戦いを進めている。改憲を発議するには衆参両院で三分の二以上の議席が必要で、自民を含む改憲勢力は参院ではこれに届いていないが、衆院での獲得議席次第では、改憲論議が活発化する可能性がある。

 衆院定数は四七五で、改憲の発議要件である三分の二ラインは三百十七議席。各党の立場は護憲から改憲まで大きな違いがあり、改憲派の中でも積極性や内容に違いが見られる。

 改憲に積極的なのが自民党。安倍晋三首相(自民党総裁)は衆院選に際し、通常国会で改正国民投票法が成立したことを挙げ「いよいよ憲法改正に向け渡っていく橋をつくることができた。国民運動を展開したい」と意欲を示した。

 同党が二〇一二年にまとめた改憲草案は、九条に国防軍の創設や集団的自衛権の行使を認める自衛権の発動を明記。衆院選公約では具体案を示していないが、改憲原案を国会提出する方針を明記している。

 次世代の党は自民党に近く、九条見直しを含め自主憲法制定を公約する。

 維新の党も、江田憲司共同代表が「改憲勢力だ」と明言し、九条に関し「自衛隊を位置づけることは必要だ」とも述べるが、優先順位は低く、公約にも盛り込んでいない。公約に明記したのは道州制導入など統治機構改革としての改憲だ。

 民主党の公約は「未来志向の憲法を構想する」と、やや抽象的な表現。党内に改憲派と護憲派を抱える実情を反映した。首相が前向きな、改憲発議要件を定めた九六条の緩和には反対の立場で、海江田万里代表は十一日、名古屋市での街頭演説で「憲法が内閣を縛るという考え方への挑戦だ」と批判。「与党が三分の二を占めると心配だ」と警戒感を示した。

 公明党は、新たな権利を加える「加憲」の立場。九条は「論議の対象として慎重に検討」するとしている。山口那津男代表は「今の憲法は良い」と、早期改憲に慎重な姿勢を示す。

 生活の党も「環境保全の責務を規定」と訴える。

 共産党と社民党は改憲そのものに反対している。共産は「『海外で戦争をする国』づくりを許さない」として、軍事ではなく「九条の精神に立った外交戦略」で北東アジアの平和を築くと主張。社民も「平和憲法を変えさせない」とした上で、憲法の理念に反する自衛隊の現状を、必要最小限の水準に改編・縮小すると訴えている。

 新党改革は国民的議論を呼び掛け、地域政党の減税日本は自衛隊の明記を主張している。

 (政治部・上野実輝彦、金杉貴雄)