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愛知ニュース

自民の優勢動かず 民主、底力で接戦も 10選挙区情勢 

 中日新聞社は県内十五の衆院選小選挙区のうち、十選挙区(1、3、4、5、7、8、10、12、13、14区)の終盤情勢を調査した。このうち、六選挙区で自民候補がリードし、民主候補が先行するのは一選挙区、三選挙区で接戦となった。序盤の情勢から自民の優勢は動かないが、一部の選挙区では民主も底力を発揮している。維新や共産など他の野党は苦しい戦い。

 自民は調査対象の十選挙区のうち、1、4、7、10、12、14区でリードを保ち、民主に先行を許していた5区でも接戦に持ち込んでいる。終盤に入って、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相ら大物が相次いで県内入りするなど、十五選挙区で十三勝した二年前の勢いを再現したい構えだ。

 民主は8区で自民を逆転し、3区でも接戦に持ち込んだ。労組系の組織票に加え、安倍政権への批判票を取り込み、「王国・愛知」での地力を見せたいところだが、4、10、14区など自民との差を詰め切れない選挙区も目立つ。

 維新は小選挙区での議席獲得は困難な情勢。選挙協力で民主の出馬予定者が比例に回った12区でも、自民に引き続き先行を許している。

 共産は各選挙区で厳しい戦いが続くが、比例東海ブロックでの議席増を視野に、安倍政権批判を強めている。

 次世代と社民、減税は埋没気味で支持が広がっていない。

 (文中敬称略、上から届け出順)

◆1区

 (名古屋市東・北・西・中区)

広沢 一郎50 減新

身玉山宗三郎41 次新

平山 良平66 社新

熊田 裕通50 自前(1)

吉田 統彦40 民元(1)

大野 宙光51 共新

◆熊田安定 追う吉田

 熊田が安定。吉田が追い、大野が続く。熊田は自民支持層の九割以上に浸透。集会や街頭演説を重ねて無党派層の六割ほどを取り込む。吉田は民主支持層の七割以上をまとめた。四十〜五十代の支持は熊田を上回る。主婦でも熊田と競り合う。大野は共産支持層をほぼ固めたが他党の支持層を切り崩せていない。広沢は公明支持層に食い込むが、広がりに欠ける。平山と身玉山は厳しい。

◆3区

 (名古屋市昭和・緑・天白区)

増田 成美41 減新

石川  寿49 共新

池田 佳隆48 自前(1)

近藤 昭一56 民<前>(6)

井桁  亮45 次新

◆池田と近藤 互角に

 リードしていた池田に近藤が追い付き互角の展開に持ち込んでいる。池田は自民支持層の八割近くを固め、民主支持層の一割に食い込んだ。六十代以上に浸透したが、五十代以下の支持が減った。近藤は民主支持層の八割を押さえ、職業別ではサラリーマン、年代別では二十〜五十代の支持を伸ばした。石川は固い支持層を持つが苦戦。増田と井桁は出馬表明が遅れ、浸透し切れていない。

◆4区

 (名古屋市瑞穂・熱田・港・南区)

牧  義夫56 維元(4)

工藤 彰三50 自前(1)

高橋 祐介36 共新

刀禰 勝之44 民新

◆工藤が引き離しへ

 序盤から優位に立ってきた工藤が、横一線で追う牧と刀禰を引き離しつつある。高橋は伸び悩む。工藤は自民支持層の七割、推薦を受ける公明支持層の半分を固めた。原発再稼働反対の層や無党派層にも食い込む。牧は自営業などの職業層で工藤を上回り、かつて所属した民主支持層も一部取り込むがサラリーマン層で劣勢に。刀禰は牧に追い付いたが民主支持層以外に広がっていない。

◆5区

 (名古屋市中村・中川区、清須・北名古屋市、西春日井郡)

藤井 博樹37 共新

赤松 広隆66 民<前>(8)

神田 憲次51 自前(1)

安田 庄一47 次新

◆赤松と神田が接戦

 赤松と神田がほぼ並び接戦を展開している。赤松は民主支持層の九割を固め、自民や公明支持層の一部にも浸透。神田は自民支持層の八割以上をまとめ、公明支持層の過半、若い世代にも支持を広げる。ともに従来の支持基盤を固め終えたとみられ、浮動票の取り込みが勝敗の鍵となりそう。藤井は共産支持層の大半を固めたが、全体への広がりを欠き、厳しい展開。安田は独自の戦い。

◆7区

 (瀬戸・大府・尾張旭・豊明・日進・長久手市、愛知郡)

鈴木 淳司56 自前(3)

山尾志桜里40 民元(1)

郷右近 修36 共新

◆鈴木がややリード

 鈴木が依然としてややリードし、山尾が懸命に追い上げる。郷右近は厳しい戦い。自民、公明支持層の大半を固めた鈴木は、二十、三十代の支持率が高く、サラリーマンや主婦からも広い支持を得て優位に立つ。山尾は民主のほか維新支持層をまとめ、無党派層で支持を拡大。四十、五十代の支持率は鈴木を上回る。郷右近は共産支持層を固めているが、他の層には浸透していない。

◆8区

 (半田・常滑・東海・知多市、知多郡)

伊藤 忠彦50 自前(2)

伴野  豊53 民元(4)

長友 忠弘55 共新

◆伴野が伊藤を逆転

 伴野が優勢に転じ、伊藤が追う。長友は苦しい。伴野は民主支持をほぼ押さえ、無党派層の六割以上を取り込んでいる。二十、三十代や、サラリーマンに浸透し、特定秘密保護法に反対する有権者からの支持をまとめた。伊藤は自民支持の九割以上、公明支持も九割弱を押さえたが、無党派層への支持拡大に苦しむ。主婦層では優位に立つ。長友は共産支持以外での広がりがない。

◆10区

 (旧尾西市区域以外の一宮市、江南・岩倉市、丹羽郡)

板倉 正文56 共新

江崎 鉄磨71 自前(5)

杉本 和巳54 無<前>(2)

小林 弘子75 民新

◆江崎を杉本が追う

 大きくリードしていた江崎を杉本が追い上げている。江崎は優勢を保つものの、自民支持層を固め切れておらず、他党の支持者も切り崩せていない。杉本は自民と民主の支持層の四割を取り込んでいる。二十、三十代からの支持も六割まで伸ばした。小林は民主支持層を五割しか固められていない上、若い世代の支持が少なく苦しい。板倉は共産支持者以外に浸透していない。

◆12区

 (岡崎・西尾市、額田郡)

牧野 次郎56 共新

重徳 和彦43 維<前>(1)

青山 周平37 自前(1)

◆青山がリード保つ

 青山が組織を固めてリードを保つものの、重徳が支持なし層などに浸透して追い上げている。青山は自民支持層の八割強をまとめた。小選挙区の候補者がいない民主支持層の三割弱も取り込む。二十、三十代と四十、五十代の支持で重徳を上回る。重徳は民主支持層の七割弱を固め、支持なし層でも青山をリードする。青山を推薦する公明支持層の一部にも食い込む。牧野は苦しい戦い。

◆13区

 (碧南・刈谷・安城・知立・高浜市)

宮地  勲60 共新

大西 健介43 民<前>(2)

大見  正56 自前(1)

◆大見と大西の攻防

 大見と大西が一進一退の攻防を繰り広げている。保守系市議らの応援を受ける大見は、低調だった二十、三十代の支持を拡大。高齢者に強みを発揮し、自由投票の公明支持層にも浸透しつつある。トヨタ系企業の労組票を基盤にした大西は主婦層の支持を拡大している。民主支持層を固めた上で、自民支持層の一部に浸透。街頭で二期の実績を強調し、支持なし層にも食い込んでいる。

◆14区

 (豊川・豊田=旧稲武町区域・蒲郡・新城市、北設楽郡)

鈴木 克昌71 民<前>(4)

袴田 富治62 共新

今枝宗一郎30 自前(1)

◆今枝安定した戦い

 今枝が安定した戦いで、鈴木が追う。今枝は自民、公明支持層を中心に、男女、年代、職業とも幅広く支持を集める。アベノミクスを地方に広げる「ローカルアベノミクス」や妊娠・出産の不安解消などを訴えている。鈴木は、連合愛知の支持などを背景に「一強多弱」の政治状況の打破を強調。民主や維新支持層は固めつつあるが、支持政党を持たない層への浸透が弱く、広がらない。

 (衆院選取材班)