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愛知ニュース

11区候補者に密着 八木哲也さん(67)自前

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 衆院選は後半戦に入り、候補者たちの訴えはいっそう熱を帯びる。愛知11区(旧稲武町区域を除く豊田市、みよし市)の候補者三人に記者が密着し、慌ただしい選挙戦の一日を追った。

◆分刻み握手求めて

 威勢のいい競りの声が響く早朝の豊田市公設地方卸売市場。鮮魚や青果が入った箱の隙間を縫うように、八木哲也さんが小走りで歩みを進めていく。

 荷物を運ぶ人、魚をさばく人、じっくり品定めする人。目に入るあらゆる人と両手でがっちり握手を交わす。「頑張って」「しっかりやれよ」。そんな励ましの言葉に思わず頬が緩んだ。「二年前じゃ考えられなかった。うれしいなあ」

 豊田市議を辞し、公示一週間前に急きょ出馬を決めた前回衆院選。行く先々で反応が薄く、知名度不足を痛感した。だからこの二年間、週末ごとに地元へ帰り、地道に三百三十回もの街頭演説を重ねた。今回はその成果が、有権者の励ましとなって返ってくる。

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 選挙中は一分一秒、無駄にはできない。集会や街頭演説の合間に選挙事務所へ戻っても休憩することなく、来訪者と談笑する。食事を取る時間もままならず、昼食、夕食とも移動の車中。コンビニのおにぎりをペットボトルのお茶と一緒に流し込んだ。

 この日は女性支援者の集会が三つも集中。経済政策を訴える演説の中で、早速、朝の市場での体験談を織り交ぜた。「握手した人たちの手はみんな冷たくて、ごつごつしていた。頑張って働く人たちにまで、アベノミクスを浸透させたい」

 夕暮れ後は演説会を四カ所でこなし、選挙事務所に戻ったのは午後九時半。やっと一日を終えたと思いきや、公示後に始めたネットの動画収録に入る。

 肝心の決めぜりふ「元気な地方。日本の再生!」をかんでしまった。さすがに疲れが出たか。「やっちゃったなー。ごめん、ごめん」。最後まで笑顔を絶やさず、周囲のスタッフたちを和ませた。

 (河北彬光)