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愛知ニュース

<私の青春時代>11区

 街頭や集会で、実現したい政策や目標を訴える候補者たち。愛知11区(旧稲武町区域を除く豊田市とみよし市)に立候補する三人はこれまでどう歩み、どんな経験をしてきたのか。今につながる青春時代の思い出を聞いた。

◆インド放浪、災難続き 八木哲也さん(67)自前

 青春時代といえば、インドを放浪したのが一番の思い出かな。大卒後に就職した東京の建材会社を辞めて、一九七四(昭和四十九)年に一人で五カ月間旅行しました。高校時代に作家堀田善衛(よしえ)の「インドで考えたこと」を読んだのがきっかけで、歴史や文化のある面白い国だなあと。

 当時は首都デリーから欧州のロンドンやパリまで行くバスがあって、その旅を目指しました。けれど災難の連続だった。

 まずは盗難。インドに行って一カ月後、一泊二十円程度の安いテントに宿泊したら、外出中にリュックサックを盗まれてしまった。幸いパスポートと金品は身に付けていて無事だったけれど、荷物の着替えやカメラはすべてパー。だからこの写真は、現地で一緒になった旅行者に撮ってもらいました。盗難に遭った東部ブッダガヤでの記念写真です。

 次に待っていたのはアメーバ赤痢。現地で生水を飲んだのが良くなかったようで、下痢や腹痛に悩まされました。体が弱ってしまい、欧州を目指す夢は断念。いつか再び、と思ったけれど結局かなわなかったな。

 それでもインドで学んだことは多い。大勢の物乞いの人たちに施しを求められたり、食べ残しを欲しがられたり。「生きる」ということがどういうことか、これほど深く考える機会はなかった。

 バスや電車が運休するのも日常茶飯事。帰国後、新幹線が少し遅れてニュースになるのを見て「この程度で目くじら立てなくても」と思うようになりました。インドを経験してから、少々のことでカリカリしなくなったかもしれません。

 <やぎ・てつや> 1947年、現在の豊田市生まれ。中央大理工学部を卒業後、東京の建材会社、豊田市の自動車部品会社勤務を経て、99年に豊田市議に初当選。前回2012年の衆院選で国政へ転身した。