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愛知ニュース

迫る一宮市長選に冷や水 衆院選で街頭演説に制限

 衆院選が、知事選と同じく来年二月一日に投開票される見通しの一宮市長選に思わぬ影響を与えている。衆院選の期間中は街頭演説やビラ配りができないからだ。市長選への出馬を予定する四人はいずれも新人だけに、知名度を上げようとしていた矢先、衆院選に機先を制された形だ。静観する人もいれば、何とか「顔」を売ろうと走り続ける人もいる。

 「大変な時期に解散されてしまった」。市長選に無所属での出馬を表明している市議の細谷正希さん(46)は嘆く。

 公職選挙法では衆院選の期間中、政治活動が制限される。本来なら街頭演説を繰り返し、自らの主張を一人でも多くの市民に知ってもらいたいところだが、それができなくなってしまった。

 前回の衆院選では民主候補を応援したが、今回は自らの市長選に「政党対決を持ち込みたくない」と静観する構え。七日に控える事務所開きの準備を進め、衆院選後から毎日街頭に立つ予定だ。

 ミニコミ紙社長の高橋一さん(54)も、二日の衆院選公示後は目立った動きをしていない。十一月末に出馬表明してから週四回の街頭演説を続けていたが、自粛を余儀なくされた。

 二年前の前回衆院選では愛知10区に未来の党から出馬したが、今回はどの候補とも関わらないつもり。「今は足場固めをしたい」と、市内の個人や団体を回っている。

 一方で、衆院選を「顔と名前を売る絶好の機会」と前向きに捉える出馬予定者もいる。

 「二年前を考えるとあり得ないツーショットですよね」。二日にあった9区(現在の一宮市の旧尾西市など)の自民前職の出陣式。応援演説に立った中野正康さん(47)がおどけた。

 元総務省官僚の中野さんは、二年前は9区に日本維新の会から出馬し、自民の前職と争った末に落選している。今回は谷一夫市長の後継として市長選への出馬を表明したことで、立場が一変した。

 二日は10区の自民前職の出陣式にも出席。その後も両陣営に頻繁に顔を出し、保守系議員や各種団体へのあいさつに精を出す。

 共産党の鈴木義一さん(56)も、連日10区の共産新人候補の演説に同行している。自らは二度目となる市長選の準備はビラ制作にとどまっている。

 「まずは衆院選で共産党が勢力を広げないと、市長選も続かない」と鈴木さん。演説では消費税の増税廃止を声高に訴え、共産党への投票を呼び掛けている。

 (衆院選取材班)