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滋賀

<駆け抜ける候補を追う>(上) 二之湯武史さん(36)自新

選挙カーで走り回る中、立ち寄った病院で来院者と触れ合う二之湯武史さん(左)=湖南市内で

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 参院滋賀選挙区(改選数一)に立候補している自民新人二之湯武史さん(36)、共産新人坪田五久男さん(54)、民主現職徳永久志さん(50)、諸派新人荒川雅司さん(38)の四人の舌戦は終盤に差しかかった。夏本番を迎えた県内を全力で駆け抜けている政党候補者や陣営の熱い戦いを追った。

◆知名度向上へ全速力

 湖南市のJR甲西駅で午前七時、駅利用者に声掛けを始めた。「行ってらっしゃい」。集まった支援者らと、通勤通学の駅利用者を笑顔で見送った。

 時折、雲間から強い日差しが照りつけた十七日。駅立ちの後、ビスケット状の栄養補助食品を朝食代わりにかじり、乗り込んだ選挙カーで住宅街へ。生活道路や狭い路地を縫うように走った。「強い経済、日本を取り戻しましょう」。窓から手を振り、時にはウグイス嬢に変わってマイクを握った。

 幹線道路沿いの交差点では信号待ちの間、選挙カーから降りて通り過ぎる車のドライバーに手を振る。支援者の手配で途中で立ち寄った病院では来院中の患者とがっちり握手。そして再び選挙カーに。息つく暇なく昼を迎えた。午後も同じように甲賀市を回り、一日で約三百キロを走り抜けた。公示日からの選挙カーの走行距離は約四千三百キロにも達した。

 この日は日程になかったが、いつもは小規模な街頭演説も織り交ぜる。「日本を取り戻す最終決戦です」と声を張り上げ、衆参ねじれの解消なくしてはスピード感のある経済対策も実行できない−との持論を展開。「景気回復のラストチャンスでもある」と訴える。

 これまでの生活拠点は名古屋で、出身は京都市。いかに知名度を上げるかが、二月に党の公認が決まった直後からの課題だった。「自民関係者から『二之湯ってどこかのスーパー銭湯の宣伝か、と言う人がいた』と聞いた」と振り返る。選挙期間に入るまで四カ月余りの間、県内中に足を運び、六万枚の名刺を配り歩いた。

 十六日の長浜市高月町での個人演説会。同席した地元出身の上野賢一郎衆院議員が会場の三百人に「二之湯さんの顔を初めて見た人は」と聞くと、ほとんどの参加者の手が上がった。残りの選挙期間も、大勢の支持者が迎える個人演説会の回数を減らしてでも、一人でも多くの有権者に接触できる街頭活動に時間を割くつもりだ。

 十七日夜。近江八幡市内であった個人演説会場には、田村憲久厚生労働相が応援に入った。これまでも安倍晋三首相をはじめ党の重鎮が連日県内入りしてきた。「大物に応援に入ってもらっているのは、厳しい選挙区だからこそ」と、演説会場では支持者に強調する。

 安倍政権の高い支持率を背景に、陣営からは「いまだかつてない温かいムード」(党の県議)との声も漏れる。だが、選対本部長の家森茂樹県連幹事長は「支持してくれている人が本当に投票に行ってもらえるかどうかが重要だ」と表情を引き締める。

 マスコミの世論調査はリードを伝える。「意識したことはない。自分はあくまで現職に挑む新人。有権者に訴えたいことを訴える。それに尽きる」と気を緩める様子はない。

(梅田歳晴)