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滋賀

比例候補も必死の訴え 「投票用紙に私の名前を」

演説会場に張られた、比例代表の投票用紙に個人名を書くよう呼び掛けるチラシ=県内で

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 参院選は選挙区だけでなく比例代表の候補者たちも戦いを繰り広げている。全国を一つの選挙区で争う参院選の比例代表は、立候補者の個人票がどれだけ多く集まるかで当落が決まる「非拘束名簿式」を採っているため、県内の各党の関係者は、投票用紙に政党名ではなく特定の候補の名前を書いてもらおうと、懸命に呼び掛けを続けている。

 「二枚目の投票用紙には『ありむら』とお書きください」

 大津市の街頭で開かれた自民党の演説会。比例代表に立候補している自民現職の有村治子さん(42)は、選挙区の投票を終えた後に投ずる比例代表の投票用紙に自身の名前を記入するよう、熱を込めて訴えた。

 県内に地盤を持つ有村さんは二〇〇七年の前回選挙で自民が比例で獲得した十四議席の最後のいすに滑り込んだ。自民は今回優勢が伝わるものの個人票が少ないと当落にかかわるため、全国各地を遊説し名の浸透を図る。

 県内を拠点とする候補者は民主にもいる。元職で前衆院議員の奥村展三さん(68)は「比例区の投票用紙に『奥村てんぞう』とお書きください」と記載したチラシやポスターを刷り、県内を中心に配布や張り出しを進めている。

 奥村さんは国政選挙に初めて当選した一九九五年の参院選(滋賀選挙区)で十九万票余りの票を得ており、陣営は今回、同程度の得票を目指して活動に励む。衆院議員時代に地盤としていた滋賀4区の地域を中心に選挙カーでの遊説や駅立ちなどをこまめにこなし記名を呼び掛けている。

 一方、県内からは比例候補が出ていない他党の関係者らも、県内と関係のある特定候補らへの投票を呼び掛けている。

 共産は党書記局長代行の現職山下芳生(よしき)さん(53)への支持を訴え、山下さん本人が県内で遊説することも。公明は元経済産業政務官の現職山本香苗さん(42)への投票を、個人演説会などで訴える。

 みんなの党は全盲の元競泳選手で新人の河合純一さん(38)への投票を街頭活動などで呼び掛け、日本維新は元官房副長官の元職上野公成さん(73)の名の記載をチラシなどを配りながら訴える。社民は選挙カーなどを使い、平和団体事務局長の山城博治さん(60)への投票を求めている。

(参院選取材班)

 <非拘束名簿式>参院選の比例代表の投票方式として2001年に導入された。有権者は政党名か候補者名のいずれかを書いて投票することになり、両方の得票数の合計で各党の議席数が決まる。各党では、獲得議席数内で個人得票が多い候補者から順に当選していくため、個人票の票数が当落を左右する。衆院選と違い、選挙区の立候補者は比例代表の候補者にはなれない。