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滋賀

ネット解禁が好評 各陣営、積極活用

県版の政策集を発表する自民県連の家森茂樹幹事長(右)ら=県庁で

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 インターネットを使った選挙運動が七月四日公示、二十一日投開票の参院選から解禁される。支持者の新規獲得につながるか。票に結び付くのか。期待と懸念が入り交じるなか、滋賀選挙区(改選数一)でも、立候補予定者や主要政党の各陣営が、すでにネット活用に向けた動きを展開している。ネット選挙解禁はこれまでの選挙活動の風景を一変させそうだ。

 ■民主■

 民主の徳永久志さん(50)は個人や事務所のインターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」から近況を発信する。国会会期中には本会議や所属する委員会の報告、可決された法案への思いなどを更新。地元では朝の駅立ちや集会の様子などを書き込んでいる。

 陣営幹部は「場所と時間を簡単に告知できる」と利点を語る。民主系の県議も同調し、最大五千人の「友達」をつくることができるFBの利点を生かすため、立候補予定者には「友達五千人をつくるように」とハッパを掛ける。

 ただ陣営には「FBだけでは候補者の細かい点までは分からない。FBをきっかけに公式ホームページ(HP)、さらには本人を見てほしい」との思いもある。参院選を見据えて今春リニューアルしたHPは活動報告やプロフィルを詳しく紹介している。このほか今月中旬にはメールマガジンも創刊し、集会の日時を告知したり、政策を訴えたりしている。

 ■自民■

 「栗東駅で朝の駅立ちをしました」。二十七日に自民の二之湯武史さん(36)がFBに書き込んだ。コメントもいくつか寄せられ、共感を示す「いいね!」も九十以上に上った。FB上の「友達」は七百人余り。自ら日常の活動を写真とともにほぼ毎日アップする。

 FB上で「友達」の誰かが「いいね!」を押したり、コメントを寄せたりすれば、直接本人を知らない人にも活動を知らせることができる。陣営担当者はFB上の書き込みの広がりを「熱伝導的に熱くなってくれれば」と期待を込めた。

 FBのほかメールやHP、インターネットのブログ、短文投稿サイト「ツイッター」も積極活用する。動画をネット上で流せるため活動を報告するPR動画も用意。個人演説会場でも上映する。

 ■共産■

 HPに力を入れるのは共産。ネット選挙解禁を見据え、情報技術(IT)の専門業者から管理委託の売り込みも盛んだ。だが「自らできる範囲で更新をやっている姿を見せる方が有権者にも納得してもらえる」と、業者には頼らず、党の担当者が更新を続ける。

 「見栄えは他の陣営に追いついていないかもしれないが人柄が良く表れる。HPを上手に更新するスキルも含めて有権者の審判を仰ぎたい」と担当者は前向きだ。

 立候補予定者の坪田五久男さん(54)はブログが中心。活動内容を紹介しているほか、知り合いに委託してPR動画も作成し、HPで公開予定。「自分のことを知ってもらうのに役立つ」と、出来栄えには満足そうだ。

 ツイッター、FBの活用に関し、五、六月に勉強会を実施。党からの情報を配信するように要請したが、活用頻度はそれぞれの党員に委ねる。

 ■諸派■

 諸派新人の荒川雅司さん(38)もブログを中心にFBやHP、ツイッターを活用し、発信に務めている。PR動画も作成し、ネットの動画サイト「ユーチューブ」でも公開している。

◆IT企業、高齢議員向け支援も

滋賀選挙区の立候補予定者がそれぞれの日常の活動を発信しているフェイスブックやブログのページ

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 ネット選挙に期待感がある一方、「どうやったら良いか分からない」と不安を感じる地方議員もいる。そのなかで、支援サービスを打ち出した企業も出てきた。

 大津市稲津のITコンサルタント会社「クリエイティブジャパン」。西原卯宏(しげひろ)社長(46)が、知り合いの議員らから悩みを聞いたことがきっかけで、今年四月に高齢の議員らネットを使い慣れていない人たちにターゲットを絞った事業を始めた。

 サービスでは、依頼を受けた議員や候補者の政策や信条、性格などを簡潔にまとめたブログ記事を、一カ月に二回更新。紙ベースの後援会新聞も月に一度刷り、会のメンバーに送付する。文章は、西原社長が議員らから直接聞き取りまとめる。費用は月々五万二千五百円。

 フェイスブックなどのツールを駆使したアピールの支援にも応じる。党派の別なく原則、一選挙区につき一人のみ依頼を受ける。既に県内外の三人の市議から相談を受けている。

 西原社長は「地方議員の平均年齢は高い。ネットに慣れていない議員が多く、ネットの扱いにたけた人との二極化が進んでしまう」と指摘。「対策に膨大な費用をかけたり、使ったこともないネット作業に時間を費やしたりせず、地方議員が政治に専念できる環境をつくっていきたい」と話した。 

(参院選取材班)

◆「ツイッター」県選管も開設

 県選挙管理委員会はは参院選に向け、「ツイッター」を開設した。選挙啓発イベントの開催案内の情報を掲載する。

 ツイッターの名前は「滋賀県選挙管理委員会」で、ユーザー名は「shiga_senkan」。

(梅田歳晴)

◆投票用紙、各市町に

 参院選に向けて県選管は二十八日、投票用紙を各市町選管に交付した。

 選挙区、比例の投票用紙百十一万九千五百枚と点字投票用紙二千八百五十枚をトラックで各市町に送った。 (山内晴信)

◆選挙違反摘発へ県警が署長会議

 参院選に向け県警は二十八日、県内十二署の署長と本部の幹部らを集めた会議を開き、選挙違反取り締まりの徹底を誓った。

 会議の冒頭、山本仁(まさし)本部長が訓示。幅広い情報収集や本部の各部署と各署の連携、要人警護に万全を期すことなどの注意点を挙げ「今回の選挙はネット選挙が初めて行われ、関心が高まると予想される。的確適正な違反取り締まりを積極的にし、県民の信頼に応えなければならない」と述べた。

 県警は二十七日、本部内に選挙違反の取締本部を設置しており、捜査員三百四十人態勢で取り締まりにあたる。

(中尾吟)