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大学生「ネット選挙」考 「演説日程の告知ばっかり」

愛知選挙区の候補者(手前)にネット選挙の対応を聞く名古屋市立大の学生ら=名古屋市内で

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 参院選でインターネット選挙運動が解禁され、政治を学ぶ大学生らも注目している。自分たちが日常的に使うネットを候補者がどう活用するかは、興味深い研究対象。ネット選挙を追いながら、若者の視点で注文も−。

 「ネット選挙とマスメディア」を課題に調査しているのは、名古屋市立大の二年生十一人。人文社会学部の飯島伸彦教授が担当する調査実習の一環で、新聞やテレビの選挙報道を分析。公示前には愛知選挙区の候補らを訪ねてネット選挙への対応を聞いた。

 参院選が初めての投票になる永田紗里さん(20)は、調査に応じてくれた候補に好感を持った。だが、短文投稿サイトのツイッターで読む、この候補のつぶやきは「演説日程の告知が多くて流し読みしてしまう。政策が知りたいのに」とちょっぴり不満そう。「ネット選挙で新聞離れが進むのでは」と思っていた永田さんだが、今は「政策なら新聞の方が分かりやすい」とも。投票日には出口調査を実施して有権者がどのくらいネット情報を参考にしたかを調べ、研究成果をまとめる。

 愛知学院大(愛知県日進市)の森正教授(政治学)ゼミの五人は、候補者がネットでどんな情報発信をしているかを調査中だ。

 公示以降、東海三県の候補のツイッターなどを分析している三年の藤田佑樹さん(21)は「政策より、どこで何をしているかの報告が中心。『頑張っている』という感じしかしない」。ネット選挙の照準は若者と言われるが、その反応は必ずしも良くないようだ。

 朝日大(岐阜県瑞穂市)の斎藤康輝教授のゼミの八人は憲法がテーマ。岐阜選挙区の主な候補にネット上で「九条改憲への考えを教えて」と聞いてみた。

 候補本人からコメントが返ってくると喜びに沸いたが、返事がなくてがっかりしたことも。三年の市橋満里菜さん(20)は「ネットでの対話が増えれば、直接会えない候補も身近に考えられる。もっと有権者がネットを積極的に使って、政策などの情報を自分で取りにいくようになれば」と話す。

(木下大資)