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選挙メール、利用は13人のみ 中部の候補

◆制限多く「使いにくい」

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 参院選もいよいよ終盤に突入した。今回の参院選から政党や候補者が選挙運動に使えるようになった電子メールの活用状況を、本紙が中部九県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、静岡、石川、富山)の選挙区の全候補者四十九人に取材したところ、活用していると答えたのは十三人(27%)にとどまった。選挙運動用メールは相手の同意を得なければ送信できないなどの制限があり、対応が分かれている。

 ■活用も手探り

 三重の民主現職は朝夕二回、千六百人に当日と翌日の演説会などの予定をメール配信する。以前からのメールマガジン読者に加え、後援会の交流サイト・フェイスブック(FB)で募って送信先を増やした。「効果は未知数だが、新しい情報を送り続けることが大事」と担当者。

 「FBやツイッター(短文投稿サイト)を使わない人にも主張を届けられる」と話す長野の無所属新人は、百四十人へ一日おきに送っていたのを最近、毎日に増やした。

 二千人以上の送信先を開拓した静岡の民主現職の陣営は、「送りすぎても良い印象はない。頻度は三日に一回ほど」とマナーには慎重だ。

 ■了解が必要

 各陣営がメールを活用する際にネックになるのが、<受け取る側の了解を得なければいけない>というルールだ。一方的に送り付けることができるメールの性質を考慮し、送信先の同意を得た記録の保存義務も課されている。

 「相手の了解とはどのレベルを求められているか。違反のリスクは冒したくない」と二の足を踏むのは愛知の自民新人。公示直前に出馬が決まった岐阜の民主新人は「アドレスを集めて送信の了解を取る時間がなかった」。長野の共産新人は手続きの煩雑さに「FBのメッセージ機能で代用でき、あえてメールを使う理由がない」と話す。

 選挙違反への不安を口にする陣営は多い。ネット全般に力を入れる三重の維新新人も、メールには「あらぬ疑いをかけられるのが怖い。主張の内容はFBで見てほしい」との立場。

 石川の民主現職は「自分たちは気を付ければいいが、メールの受け手が禁じられている転送をしないかまで手が回らない」と有権者側の違反を心配する。「一人一人了解を取る労力の割に、効果が見込みにくい」とも。

 ■持て余し気味

 石川の共産新人は数千人の登録を目指したが結局は宣伝不足で六十人程度に。担当者は「FBにブログ、ツイッターと媒体が多すぎて、発信内容を考えるのが大変」と苦笑する。

 静岡のみんな新人は二百人に送信しているが「メールは『票を入れてくださいね』という念押し。新たな支持者を掘り起こす武器にはならない」。

 愛知のみどり現職は一千件近いアドレスを集めたが、実際送信すると「会社のアドレスなので政治のメールが来ると都合が悪い」と苦情が返ってきた。「選挙の時だけメールを送るのは『票目当て』の印象を与える」と、せっかく集めたアドレスも持て余し気味だ。

    ◇

 四月の公職選挙法改正で、インターネットを使う選挙運動が参院選から解禁された。選挙期間中もホームページの更新、FBやツイッターを使った投票依頼などが自由にできるようになったが、選挙運動用の電子メールを送ることができるのは政党と候補者に限られ、有権者のメール解禁は今回の改正では見送られた。