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ビラに党名の掲載は? 自民は候補より「首相の顔」

 参院選で全国有数の激戦区である愛知選挙区(改選数三)で、民主党公認候補が選挙用ビラに党名を載せないなど“政党隠し”の選挙戦を展開している。「党への拒否感が根強いので」と陣営幹部。それに対し、自民党は候補名より党名を前面に打ち出す。減税日本は選挙の規定で政党ビラを使えず、活動が制約されている。党の看板をめぐるそれぞれの事情を探った。

◆民主「拒否感が根強い」

 民主現職は選挙カーで、名前を連呼して「金融の専門家」をアピールするが、党名はほとんど触れない。選挙カーやポスターにある党名と赤色の党シンボルマークは片隅に小さく、遠くから目につきにくい。

 さらに、三十万枚作った選挙用ビラには、経歴を紹介するが、所属政党の記載はなく、青と黄緑を基調にした独自のシンボルマークを掲げる。陣営は「四年前の衆院選では自民が党名を隠したが、今回は民主と言ったら票が減る。現職で知名度はあるので、党名は出さない方がいい」と打ち明ける。

 三重選挙区では、民主党代表も務めた党最高顧問の岡田克也元副総理が、候補を全面的に支援しており、党の看板は隠しようがない。「党への大変厳しい風を感じているが、必ず立て直す」と、危機感を前面に押し出す対照的な戦略を取る。

 自民は民主とは違って党勢が堅調。愛知の新人は演説で積極的に党名を繰り返す。演説中、二分間に六回も「自民」と叫んだことも。名古屋市の事務所玄関の一階部分には、安倍晋三首相のポスターが所狭しと貼られるが、肝心の候補の顔をPRするのは立て看板一枚だけと控えめだ。

 陣営は「党名を強調すると、有権者の関心を引きつけられる」と狙いを明かす。ただ、支援者から「自民に入れたいけど、候補名は何だっけ?」と聞かれることもあり、知名度上昇には悩まされる。

◆減税「規定で出せない」

 愛知にだけ新人を擁立した減税日本は、政党としての政策ビラを配布できず、党の選挙カーも使えない。比例代表の候補擁立など一定の条件が必要な「確認団体」に該当しないためだ。

 河村たかし名古屋市長が率いる党として、地元では一定の知名度があり、政党と連動して候補を売り込んで、得票につなげたいところ。陣営は「不利は否めない。制度とはいえ残念だ」と話す。