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業界団体は自民に回帰 中部のJAや建設業

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 民主党政権下で行われた二〇一〇年の前回参院選で民主、自民の両にらみを決め込んだ業界団体が、今回の参院選では自民党への回帰を鮮明にしている。中部地方の選挙区では、好調な党勢を踏まえて自民候補の単独推薦が大勢。「日本を、取り戻す。」を掲げて戦う自民は、前回の恨みを抱えつつ、業界団体との蜜月関係も取り戻そうとしている。

 四日の公示日。出陣式を終えたばかりの愛知選挙区の自民新人が真っ先に向かったのは、名古屋市中区のJA愛知中央会だった。

 「ものづくりで成長した愛知を支えたのは農業者の皆さん。安倍(晋三)総理だって皆さんを裏切るようなことはできません。必ず農業を守っていきます」。マイクを握った候補は、農業を重視する姿勢をアピールした。

 自民は今回、農業関係者が参加に難色を示す環太平洋連携協定(TPP)には踏み込んだ表現を避けつつ、農業振興やインフラ整備の推進など各業界に配慮した公約を用意。業界団体が推薦を出しやすい状況を整えた。

 JA愛知中央会の政治団体「愛知県農政連」は三年前の参院選で、どの候補にも推薦を出さず「自主投票」とした。担当者は「長年付き合いがあるのは自民だが、政権与党の民主に反旗を翻すわけにもいかず、模様眺めをせざるを得なかった」と振り返る。

 今回は一転、三月に早々と自民の推薦を決めた。昨年末の衆院選で政権の座に戻り、株価が堅調に推移するなど好調な自民に「間違いなく勝ち馬。できるだけ恩を売りたい」と鼻息は荒い。

 民主党政権への不満も、業界の自民回帰を後押しした。前回、自民新人と民主現職を推薦した長野県建設業協会も今回は自民のみの推薦。協会幹部は「三年間の民主党政権で公共事業は三割減った。安倍政権で明るい兆しも見えている」と期待を込める。

 一方、自民の側では選挙のたびに「風」をにらんで動く業界団体に不信感も広がる。ある県連の幹部は「自民を応援しているのではなく、与党を応援していることが前回の参院選で分かった。今はうちを応援していても、状況次第で敵にもなびく」と警戒している。