中日新聞プラス
中日新聞 chunichi web
文字サイズ
中部ニュース

改憲・原発、与党候補だんまり

 四日公示の参院選で、政権を担う自民党の多くの候補者たちは、改憲や原発再稼働の可否に触れようとしなかった。有権者からは不満も漏れる。肝心の争点は、梅雨空と同じようにぼやけたままだ。

◆岐阜

 「一票の格差」の是正で改選数が減った岐阜選挙区(改選数一)。大野泰正さん(自民新)は岐阜市内での出陣式で原発再稼働や改憲、消費税増税問題に触れず、「岐阜県の皆さんの声を中央へ届ける」と訴えた。

 続く羽島市の演説会で言及したのは、安倍政権の経済政策「アベノミクス」。「ねじれを解消し、大胆な政策で安定した経済、雇用を実現する」と支持を求めた。

 これに対し、吉田里江さん(民主新)は羽島市内の街頭演説で、改憲に意欲を示す安倍政権を批判。自民は改憲の発議要件を定めた憲法九六条の緩和を目指しているが、吉田さんは同条の見直しを「改正のための改正だ」と語った。

 自民が改憲草案に明記した「国防軍」にも「徴兵で若い人たちが戦争に行かなくてはならないかもしれない」。戦争放棄を掲げる九条の見直しにも反対したが、原発や消費税は取り上げなかった。

 鈴木正典さん(共産新)は「(原発立地県の)福井で事故が起きれば、岐阜もすぐに汚染される」と指摘。憲法問題でも「国民は変えてほしいと言っていないのに、勝手に暴走している」と自民を批判した。

 消費税についても「増税で消費は落ち込み、賃金は減る。徹底的に歳出を見直して、大企業への税金を増やせば財政は立て直せる」と主張した。

◆三重

 補選を含め、民主が五連勝中の三重選挙区(改選数一)。吉川有美さん(自民新)は「三重が変われば日本が変わる」と、民主との対決を強く意識。当選すれば県内で半世紀ぶりの女性国会議員となることから「女性の活躍の場を創出する」とも強調したが、第一声では党が目指す原発の再稼働や改憲には触れなかった。

 高橋千秋さん(民主現)は「落選した期間も含めて十五年間、コツコツと歩いて皆さんの声を聞いてきた」と議員実績を訴えた。全国の一人区で厳しい戦いが予想される民主にとって、三重は重要な砦(とりで)。それを念頭に「私が当選することが、日本をもう一度再生していくことにつながる」と強調した。

 主な候補の初日の演説からは消費税増税を含む主要争点がかすんだが、唯一、原発や憲法に触れたのは中川民英さん(共産新)。「県民の闘いで原発を造らせなかった三重県から『原発なくせ』の声を広げる。そして憲法を守り、(現行憲法を)生かした政治を進める」と述べ、自民との対立軸を鮮明にした。

 深尾浩紹さん(維新新)は「旧態依然のなれ合いの政治を続けていくのか」と、政治の転換に力点を置いた。