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中部の選管、手探り準備 前例ないネット選挙

ネットでの選挙運動解禁を前に、市区町村の担当者に注意点を説明する愛知県選管の担当者=名古屋市中区で

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 選挙運動でのインターネット利用が解禁される参院選(七月四日公示、二十一日投開票が有力)を前に、中部各県の選挙管理委員会は手探りで準備を進めている。前例のない選挙となるため、違反かどうか判断に迷う事態も想定される。疑問を国に照会しても回答待ちで、まだ準備万全とはいかないようだ。

 「具体的な事例の蓄積がないので…。分からなければ国に聞くしかない」

 愛知県選管の担当者は、現状をそう説明する。有権者や候補の問い合わせに備え、職員九人で「インターネット選挙運動に関する各党協議会」がまとめたガイドラインを読み込んでいる段階だ。

 ガイドラインは「業者にホームページ(HP)などを主体的に企画作成させると、買収に当たるおそれが高い」など、四十二項目が示されており、ネット選挙の法解釈としては現在、最も詳しい。

 それでも岐阜や長野の選管は、ガイドラインでは不明な点を国に問い合わせた。

 例えば「選挙運動が禁止されている未成年者は、候補の(交流サイト)フェイスブックで『いいね!』をクリックしてはいけないのか」「候補が有権者に選挙運動のメールを『送ってもいいか』と尋ねる場合、そのメールの返信先は、候補本人でなければならないのか」「有料ネット広告は禁止だが、無料ならいいのか」−。

 総務省選挙課は全国の選管の質問をまとめて回答を準備中。担当者は「新たに検討が必要になった質問もある」と話す。

 まだ有権者からの照会は少なく、各選管とも様子見の段階で、関連書籍を買い込んで勉強中だ。三重県選管は「ネットに詳しい職員がいない。(電子メールの通信方式を指す)SMTPの意味などを職員同士で教え合っている」。滋賀県選管は「具体例について選挙違反かどうか聞かれたら、答えられないかも」と不安視する。

 愛知県選管は公示日に、参院選用のHPを開設してネット解禁を詳しく紹介する。だが現在はほとんどの選管が「国に一元化したほうが解釈に間違いがない」(石川県選管)と、HPには総務省へのリンクを張っているだけ。滋賀県選管は最近、啓発用にツイッターを開設したが「つぶやき」を読む「フォロワー」は二十四日現在で一桁。「どうやって認知を広げたらいいか」と悩んでいる。

 (木下大資)