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くらし・アベノミクスは−「推進」か「転換」か 各党公約最終チェック

2016年7月10日

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◆政策の財源 説明乏しく

 参院選は10日が投開票日。最大の焦点となった憲法に関しては、在任中の改憲を目指す安倍晋三首相は選挙期間中に具体論に踏み込まなかったが、民進など野党4党は改憲阻止を繰り返し訴えた。首相の経済政策「アベノミクス」を巡っては、自民、公明の与党は加速させると強調し、野党4党は政策転換を唱えた。各党の公約を、くらし・アベノミクス、憲法、安保法制、原発の四つの争点ごとにまとめた。(木谷孝洋、横山大輔)

◆経済政策

 安倍首相はアベノミクスの是非を最大の争点に位置付けた。自民、公明の与党は政権三年半の実績を掲げ、さらに加速させると主張。民進など野党四党は格差を拡大させた「失政」と断じ、生活支援を中心とした政策への転換を訴えた。

 消費税率の10%への引き上げについて、首相は二〇一九年十月まで延期する方針を公示前に表明した。予定通り来年四月に増税すべきだと唱えた党はなく、大きな違いは見られなかった。

◆子育て

 保育所に入れない待機児童問題が注目を集めたことを受け、各党が子育て支援策を競った。保育士の待遇改善や保育の受け皿拡大は多くの党の公約に並んだ。若者に広がる貧困を踏まえ、返還の必要がない給付型奨学金制度の創設も八党が主張した。こうした政策は、財源など具体的内容が今後の焦点になる。

◆社会保障

 各党が年金・医療・介護の充実を掲げたが、財源の説明は乏しかった。一二年の「社会保障と税の一体改革」に関する自民、公明、民主(当時)の三党合意で、消費税増税を前提にしていた社会保障の充実策を巡る立場は分かれた。自民は「可能な限り」充実させると公約。公明は無年金者対策を「推進」、低年金者支援は「早期実施」するとした。民進は無年金者対策、低年金者支援とも来年四月から予定通り実施すると明記した。

◆雇用・労働

 正規・非正規労働者の給与格差を是正するため、同じ仕事なら同じ賃金がもらえる「同一労働同一賃金」を与野党ともに訴えた。野党側がかねて主張してきたが、格差拡大への批判が強まり与党側が同調した。ただ、待遇改善や機会均等の具体策には党によって濃淡がある。

◆環太平洋連携協定(TPP)

 貿易自由化を目指し、日米など十二カ国が合意したTPPは、秋の臨時国会で承認案や関連法案の審議が再開する。成長の契機となるか、国内産業に打撃を与えるのか、各党の見方は分かれる。自民、公明の与党は輸出増につなげると強調。民進など共闘する野党四党は悪影響が深刻だとしてTPP合意に反対する。

主な政党の公約

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