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増税延期、与党にも異論 立候補予定者アンケート詳報

2016年6月19日

 共同通信社が実施した参院選(二十二日公示、七月十日投開票)のアンケートでは、立候補予定者の間でさまざまな政策課題を巡り見解が対立している。回答から浮かぶ実情をまとめた。

◆アベノミクス 野党大半評価せず

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 安倍晋三首相が来年四月から二年半延期すると表明した消費税率10%への引き上げに関し、自民党の14・8%、公明党の7・7%が「予定通り実施すべきだ」と回答した。延期判断に対し、与党内に異論がくすぶっている現状が明らかになった。

 経済政策「アベノミクス」には自民90・2%、公明の全員が「評価する」か「どちらかといえば評価する」と答えた。

 首相方針通り消費税増税を「延期すべきだ」との回答は、自民党49・2%、公明党46・2%だった。消費税増税の二年延期を公約とする民進党は「延期すべきだ」が75・5%、「予定通り実施」が4・1%だった。

 増税自体を「やめるべきだ」と答えたのは自民党1・6%、公明党はいなかった。民進党は12・2%だった。

 税率10%への引き上げ時に併せて導入すると自公両党が合意している軽減税率について、公明党は全員が「賛成」と答え、自民党では6・6%が「反対」と回答した。

 アベノミクスに対し、日本のこころを大切にする党、新党改革の全員が「評価する」「どちらかといえば評価する」とした。民進党は97・9%が「評価しない」「どちらかといえば評価しない」と回答。共産、社民、生活の三党は全員が「評価しない」だった。おおさか維新の会は「どちらかといえば評価しない」が92・0%に上った。

◆改憲項目 自民の最多は緊急事態条項

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 安倍政権下の憲法改正に賛成した人が挙げた具体的な項目(複数回答)をみると、自民党では「大災害など緊急事態における首相の権限強化」が68・2%で最も多かった。おおさか維新の会は「道州制の導入」「憲法裁判所の設置」が共に85・7%でトップ。日本のこころを大切にする党は、全員が「前文」「集団的自衛権の明記」を掲げた。

 自民党の二位以下は「参院議員の都道府県代表制明記」が54・5%、「自衛隊を軍隊として位置付け」が52・3%、「国旗、国歌を明記」が50・0%だった。

 安倍政権下の改憲には立候補予定者全体の46・6%が反対し、賛成は34・6%だった。しかし安倍政権下に限定せず、改憲自体への賛否を聞いた質問では全体の56・6%が賛成し、反対は34・0%となった。

◆参院選改革 自民が合区に懸念

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 「一票の格差」是正に向けた参院選挙制度改革の方向性について自民党の67・2%が「都道府県単位で代表を選ぶことを優先する」と答えた。人口が少ない県の代表が削減される状況を懸念したとみられる。他の政党は「現行制度を抜本的に見直す」に回答が集まり、見解相違が浮かんだ。

 今回の参院選で隣接選挙区を統合する「合区」が導入されるのを踏まえ、自民党は公約で「都道府県から少なくとも一人が選出されることを前提として、憲法改正を含めて在り方を検討する」と明記した。

「制度の抜本見直し」の各党回答状況は、自民党11・5%、民進党36・7%、公明党53・8%、共産党51・9%、おおさか維新の会4・0%、社民党70・0%。おおさか維新の会は「その他」の回答が80・0%で、大半の立候補予定者が「格差是正と同時にさらなる定数削減が必要」とコメントした。

 都道府県代表を優先する選択肢への回答状況は、民進党16・3%、共産党3・7%、おおさか維新の会8・0%、公明と社民両党はゼロだった。

 合区による格差是正を選んだのは自民党で1・6%。民進党26・5%、公明党23・1%、おおさか維新の会8・0%、共産、社民両党はいなかった。

◆原発再稼働 民進党内で賛否割れる

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 原子力規制委員会が新規制基準に適合すると判断した原発を再稼働させることへの賛否を聞いたところ、民進党では「賛成」との回答が26・5%、「反対」が49・0%で意見が分かれた。自民、公明両党は「賛成」が83・6%、92・3%で、「反対」はなかった。

 民進党は参院選公約で「安全確認を得ていないものは再稼働しない」と盛り込んだ。規制基準を満たした原発の再稼働は認めている形だが、アンケート結果は容認派と脱原発派を抱える党内の現状を浮き彫りにした。

 おおさか維新の会は「賛成」8・0%、「反対」28・0%だった。64・0%が賛否を回答せず「避難計画策定への国の関与、地元同意の法定化など、現行規制より厳しい要件が必要」などとのコメントを付けた。

 共産党、社民党、生活の党、新党改革は全員が「反対」。日本のこころを大切にする党は全員が「賛成」と答えた。

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