長野

<候補者を追う>若林健太さん 激戦 残り3日が勝負

2016年7月8日

写真

 蒸し暑さが残る五日夕、JR松本駅前で、若林健太さん(52)の応援に駆け付けた安倍晋三首相が選挙カーの上に姿を現すと、詰め掛けた千人を超す支援者から一斉に拍手が起きた。

 県内の国政選挙で、首相が三度も来県するのは異例で、陣営も首相の長野入りを支持拡大につなげようと躍起だ。安倍首相は「大変厳しい戦いと言える。長野のために頑張って汗を流してきた候補を選ぶ選挙だ。どうか若林と書いてほしい」と若林さんと手を携え、支援を呼び掛けた。

 改選数が二から一に減り、「自公」対「野党」の事実上の一騎打ちの構図となった今回の参院選。三年前の参院選の野党三党の獲得票を単純に足すと六十万票となり、自民候補の三十六万票を大きく上回っている。

 しかし、厳しい戦いを前に当初、若林陣営の動きは鈍かった。五月中旬まで党幹部の支援は、ほとんど得られなかった。五月末にあった自民と公明による合同決起集会で、若林さんは「自公より野党連合の票が多い。相手の背中を見ている状況だ」と心境を吐露。県連幹部も「危機意識を持ってほしい」「一人区に減員となって大変厳しい」と険しい表情で語った。

◆党本部が重点区に

 潮目が変わったのは六月六日、陣営が党本部の幹部を招いて開いた選対会議。安倍首相側近の下村博文・党選対副委員長は前回選の得票を十四万票上回る「五十万票」の獲得を指示した。

 下村副委員長は四月、公明が推薦する自民公認の新人が、野党共闘の無所属新人に競り勝った衆院北海道5区補選で陣頭指揮を執った。党本部は同様の構図となる長野を重点区と位置付け、てこ入れを始めた。

 選対会議翌週の六月十二日、安倍首相が県内五カ所を遊説したのを皮切りに、谷垣禎一幹事長や稲田朋美政調会長、無党派や女性層に人気がある小泉進次郎・党農林部会長ら大物弁士が続々と県内に入った。県連職員を陣営に入れ、後方支援態勢も充実させた。

◆首相自ら支援要請

 安倍首相は自民県議らに「若林さんをよろしく」と直接電話で支援を要請しているという。医師会など支援団体、市町村議が中心となり、県内百カ所で数人規模のミニ集会を開催し、きめ細かやかな戦術も展開する。

 公示後の党本部のてこ入れに陣営も活気づいている。陣営関係者は「首相の来県後、支援企業が積極的に社員を出してくれるようになった。言い方は悪いが、動きの悪かった支援者も『勝ち馬に乗ろう』という機運になっている」と手応えを口にする。

 中盤以降、若林さんの発言にも変化が出ている。「相手と肩を並べるところまで来たが、まだ追いついていない。何とか勝ち抜く」。最終盤に向け、陣営関係者は「本当に競っている状況で、残り三日が勝負と言える。いいムードを広げていきたい」と語った。

主な政党の公約

新聞購読のご案内