長野

<候補者を追う>杉尾秀哉さん 捨て身で共闘アピール

2016年7月7日

 「取材で出会った羽田孜先生の政治改革の志が私の原点だ。長野県でその志を継ぎたい。信州の皆さんなら分かってくださる」

 六月三十日に羽田氏の地元、上田市で開かれた個人演説会で杉尾秀哉さん(58)が声を張り上げると、五百人の聴衆から拍手が上がった。

 信州と縁はあったが、暮らしたことがないため、相手陣営の応援に駆け付けた安倍晋三首相は「落下傘候補」と批判する。杉尾さんは演説のたびにこう反論している。「もう失う物も、帰る場所もない。将来の日本、将来の信州のために全てを懸けたい」

 この日の応援演説は滋賀県出身で落下傘候補と呼ばれた細野豪志衆院議員(静岡5区)。「私も伊豆半島の素晴らしさにひかれ、伊豆のために頑張っている。杉尾さんは長野を選んでよかった」と援護射撃した。連合の逢見直人事務局長も支持を呼び掛けた。

◆一枚岩とは言えず

 演説会の三時間前、杉尾さんは佐久市の公園であった共産の街頭演説会に顔を出していた。同党の小池晃書記局長の横に立ち「憲法の平和主義や国民主権をなくすような改憲を目指す勢力に、絶対に参院の三分の二を取らせない」と語り、共闘姿勢をアピールした。

 しかし、共産との連携に消極的な細野氏や連合関係者はこの集会に参加しなかった。野党共闘で生まれた統一候補ではあるが、一枚岩とは言えない組織の中でバランスを取りながら選挙を戦う苦労が垣間見えた。

 前回参院選の野党三党の票を合わせれば、今回の選挙でも勝利確実な六十万票になる。しかし陣営幹部は「1+1=2にならない選挙だ」と、計算通りにはいかない現状を認める。特に民進は保守系の支持者が相手候補に流れないよう、支持固めに力を入れる。

◆大物の応援も続々

 公示後、大物の来県を増やした。ラストサンデーの三日には山尾志桜里政調会長が長野市で遊説。六日は岡田克也代表、志位和夫共産党委員長、又市征治社民党幹事長と学生団体SEALDs(シールズ)のメンバーが顔をそろえ、合同演説会を開いた。

 「いよいよ阿部守一知事の最初の選挙に似てきた」と陣営幹部は語る。約五千票差の大激戦となった二〇一〇年の知事選では、阿部氏が北信、中信の町村部で差をつけられたが、大票田の長野市で互角に持ち込んで東信、南信でリードして差し切った。

 十八日間の長丁場となった今回の参院選も最終盤を迎える。杉尾さんは「選挙の反応は良くなっている。後はたくさんの人に会うだけだ」と語る。引き続き、都市部の街頭演説と公民館などでのきめ細かい個人演説会に力を入れる考えだ。陣営幹部は「勝っても負けても、数千票差になるだろう。票田の長野市が決戦の場だ」と勝敗を分けるポイントを語った。

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 参院選長野選挙区は現職一人、新人二人が一議席を巡って激しく争っている。投開票に向けた主要候補者の戦いぶりを二回に分けて紹介する。

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