長野

若者とつながり必要 34歳の小布施町議・小西和実さん

2016年6月20日

 「選挙に出てみないか」−。小布施町の小西和実議員(34)は二〇一一年一月、小布施駅前の食堂で元町議長の金田茂さん(74)から、三カ月後に控えた町議選への立候補を打診された。

 政治は年寄りがやるものだと思い込んでいたから、突然の打診に驚いた。ただ「期待してくれる人もいるんだ」と気分は悪くなかった。一度は断ったが「子育てや教育など若者の立場から伝えたい。町政に一石を投じる意味もある」と立候補を決意した。二十九歳の春だった。

 政治への関心は二十五歳の時に入った地元消防団で芽生えた。明治大卒業後、町に戻って会社員をしていた。地域とのつながりは薄れ、入団に気乗りはしなかったが、雪の舞う屋外で一時間にわたって誘ってくれた先輩の熱意にほだされた。

 入団後「団の仲間のために何とかしたい」との思いから地域への関心が広がっていった。街づくり団体に入り、ビアガーデン開催や外国人を招いてのギョーザ作り、原発の是非を考える上映会といった活動にのめり込んでいった。

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 初めての選挙活動中、応援してくれる仲間が言った。「皆が政治や街づくりに関心があるわけじゃない」

 その言葉通りだった。議員になると、町民の大半が町政に関心がないことを目の当たりにした。費用対効果に疑問を感じた事業を一般質問で取り上げ、町政懇談会で説明したが、反応は鈍い。「ゲートボール場に屋根を付けて」「住民税を安くして」−。もっと身近な要望ばかりだった。

 新たに投票権を得る十八、十九歳ら若い世代はどうか。「不安定でミーハーな有権者」との認識で、期待はしていないという。

 「若い世代は芸能人やスポーツ選手とか、特定の関心のある分野しか興味を示さない。就職活動で名の知れた会社ばかりを志望するように、深く知ろうともしない」と語る。低投票率が叫ばれる若い世代の投票率アップに「特効薬はない」と断言した。

 一方で、サークルやバイトをする大学生だった自身の二十歳前後を振り返り「選挙に行った記憶がない」と明かした。中学時代は公民の授業が好きで社会への関心は強かったが、社会人一年目までは具体的に政治に関わったことはなかった。

 地方議員として若者に政治への関心をいかに持ってもらうか、結論は出ていない。ボランティアや街づくり活動など議員が若者とつながるパイプづくりが必要だと考える。「個々の議員を知ってもらい、地道に対話を重ねる中で暮らしや政治への興味を持ってもらえれば」。地方ならではの距離感を生かして、前向きに取り組んでいく。

 <投票制度> 公職選挙法が改正され、夏の参院選から投票日に限り、学校や公民館など選管が指定する投票所のほか、自治体が商業施設や駅などに設置する「共通投票所」でも投票できるようになる。県内では高森町が「アピタ高森店」に設ける。このほか、公示または告示日の翌日から投開票日の前日まで自治体の庁舎などで投票できる「期日前投票」、実家の自治体から住民票を移していない学生も、事前に投票用紙を取り寄せて滞在地で投票できる「不在者投票」がある。

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