福井

県内在住外国人が直言 一票タイセツに、棄権で罰金の国も

2016年7月8日

 参院選で注目される十八歳からの選挙権。日本の選挙権年齢の変更は七十年ぶりだ。一方、海外では十八歳までに選挙権を得る国や地域が百八十を超す。日本の若者は政治への関心が低いとも指摘される中、県内に住む外国人は「投票しないのは他人に将来を任せることになる」と投票を呼び掛ける。

 「初めて投票したのは十九歳の時。自分の意志で行った」。こう振り返るのは福井大国際地域学部助教の米国人クリストファー・ヘネシーさん(35)。米国では十八歳から投票できる。共和党のブッシュ氏が民主党のゴア氏を破り当選した二〇〇〇年の大統領選だった。

 高校時代、政治の歴史や投票の意義などを学ぶ授業を受けた。国の政策や選挙資金に上限を設けることの是非などを議論する時間があり、試験もあった。

 家庭でも幼いころから、政治のことでよく議論する両親の姿を見てきた。「十歳ぐらいの時、母親にそれは違うと意見を言ったら叱られた」と懐かしむ。

 同大教育学部で学ぶインドネシア出身の留学生ディンダ・ハニファンニサアさん(21)が初めて投票したのは、十九歳だった一四年の大統領選。母国では十七歳から投票できる。「汚職などで政治家のイメージは良くない。もっといい国にしたいと思って投票した」。同国からの留学生ナディア・プスピタサリ・ガルジトさん(22)も「分からないことはたくさんあったけど、未来を考えて投票した」と話す。

 投票が義務付けられている国もある。ブラジルでは十六歳から任意で投票でき、十八〜七十歳は義務となる。投票しなければ、少額の罰金も科される。

 同国出身の日系二世の派遣社員マエダ・サンドロさん(49)=福井市=は「義務付けがいいことか分からないが、小さい時から家族が投票するのを見ているので選挙に行くのは当たり前」と指摘する。

 参院選は十八、十九歳の投票率にも注目が集まっている。「投票は将来をより良くすること。若いからとおびえずに投票してみて」とマエダさん。留学生の二人も「政治は難しいけど、少しずつでも興味を持てばいい」と口をそろえる。

 ヘネシーさんは十八歳で徴兵されたベトナム戦争を機に、米国で選挙権年齢が十八歳に引き下げられた経緯を紹介した。徴兵される側が政治に意見を言えないのは不公平だとの議論が起こり「戦うのに十分な年齢なら、投票するのにも十分な年齢」というスローガンが叫ばれたという。

 「十八歳も自衛隊に入隊できる日本で十八歳から投票できるのはいいこと。憲法九条が改正されれば自衛隊の役割も変わるかもしれない」とヘネシーさん。「自分の将来は自分の一票で決めてほしい」と願っている。

 (平野誠也)

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