福井

選挙権に“転入届後3カ月”の壁 引っ越し続き 投票できず…

2016年7月7日

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 十日投開票の参院選では、選挙権を持っているにもかかわらず、短期間での引っ越しが続いたために投票ができない人がいる。公選法では、転入届をしてから三カ月以上住み続けないと市町村の選挙人名簿に登録されない。三カ月未満での転居が続くと、どの市町村の選挙人名簿からも漏れてしまうからだ。

 福井市花月一の会社員柴田叔之(よしゆき)さん(28)も、その一人。高浜町のまちづくり会社に勤めながら昨年末まで三年間、同町に住んでいた。この時点では高浜町の選挙人名簿に登録されていた。

 祖母の介護のために今年一月一日、仕事を続けながら実家のある小浜市に転入。その後、福井市の設計事務所に四月から転職するため、三月二十六日に同市に転入した。

 今回の参院選では、現住所の市町村で投票できるのは、選挙人名簿登録基準日から三カ月前の三月二十一日までに転入届をした人。同二十二日以降に転入した人は、転入前の住所に三カ月以上住んでいれば旧住所の市町村で投票できる。

 柴田さんの場合、福井市では投票できず、旧住所の小浜市でも住んでいた期間が三カ月に満たないため、選挙人名簿登録の対象外。高浜町も転出日から四カ月を超えていて、名簿から消されている。

 総務省選挙課によると、公選法では地方選と国政選挙で名簿を統一する方式を採用。地方選では「転入して三カ月」を名簿登録の要件にしている。一定期間住んでいる人が代表を選ぶべきだとの考えや、選挙のために転入して投票することを防ぐためだ。担当者は「選挙権があっても行使できない人がいることは把握しているが、行使できるようにするには法改正が必要。現時点ではどうしようもない」と説明する。

 柴田さんは「今回の参院選は改憲にも関わる大事な選挙。一票を投じたかった」と残念がる。その上で「投票権がある人には無駄にしないでほしい」と訴えている。

 (塚田真裕)

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