福井

<課題、問う>外国人誘客 知名度アップ妙策は?

2016年7月3日

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 四十三位。これは二〇一五年に訪日した外国人宿泊者数の都道府県別調査での福井県の順位だ。前年の四十六位からは上がったが、最下位グループから抜け出せない。免税店数は四十余りと全国最下位。「Fukui?どこですか」という外国人の声が聞こえてきそうなほど、福井県はインバウンド需要を取り込めていない。

 日本を訪れる外国人旅行者数は一五年、過去最高の千九百七十四万人に達し、消費額は観光庁の推計で三兆四千億円を超えた。国は東京五輪のある二〇年に、倍増の「四千万人」にするとの目標を掲げる。安倍政権の成長戦略の柱の一つでもある。

 日本航空から県に昨年五月派遣された広域誘客課の安本幸博課長は「福井県の海外での認知度は低い」と指摘する。世界遺産はなく、ミシュランの旅行ガイドに掲載されているのは二つ星の大本山永平寺(永平寺町)のみ。京都の寺社仏閣や富士山、広島の原爆ドームなど知名度が高い観光地の陰に隠れてしまっている。

 それでも安本課長は「福井への外国人客数は伸びる可能性が十分にある」と力を込める。旅行に精通した目から見て、福井は「本物、上質なものがたくさんある。必ず外国人はそれを求めてやって来る」と魅力的に映る。

 県は一五年、県内でインターネットに無料接続できるWi−Fi(ワイファイ)や免税店を整備し、店で使える外国人接客用の会話シートも作成した。受け入れ環境が改善したこともあり、同年の外国人宿泊者数は延べ五万九千三百五十人と、前年比88・2%増の高い伸び率となった。

 本年度は福井の豊かな自然や暮らし、精神文化を新ブランド「ZEN(ゼットイーエヌ)」としてくくり、外国人の誘客活動を展開していく方針だ。

 福井県への観光客自体は増えている。一五年三月の北陸新幹線金沢延伸が追い風となり、同年実績は延べ一千二百七十万人と過去最高を記録した。「福井の人は、日本人旅行客だけでもいいと思い込んでいる。しかし、国内人口は減っており、外国人旅行者の呼び込みは重要な意味を持つ」と安本課長は訴える。

 (尾嶋隆宏)

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