福井

<課題、問う>人口減 若者の地元回帰不可欠

2016年7月2日

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 二月に発表された五年に一度の国勢調査で、二〇一五年の県内人口は前回調査より2・38%(一万九千二百十五人)減り、七十八万七千九十九人になった。減少率は過去最大となり、県内の人口減が顕著に進んでいることが浮き彫りになった。

 将来の人口減は避けられそうにない。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、四〇年の県内人口を六十三万三千人と推計している。県が昨年十月にまとめた人口ビジョンでも、四〇年の目標を六十八万二千人と設定。各種対策の効果が出た最善のシナリオでもこの数字だ。

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 県ふるさと創生室の中村忠嗣室長は「六十三万人もなかなか難しい数字」と話す。減少はやむなし、どれだけダメージを最小限に抑えられるか。国内を見渡しても同じだ。社人研の推計では国内人口は四八年に一億人を割り、六〇年には八千六百七十四万人になるという。

 県内では「自然減」と「社会減」が同時進行している。一五年の県内女性の合計特殊出生率(生涯に生む子どもの数)は一・六三で、県が四〇年の人口目標の達成に必要とする「二・〇七」には程遠い。

 社会減は若者の県外流出と深く関係している。県によると近年、高校卒業者の半分の三千六百人ほどが進学・就職のために県外に出ている。その後、県内にUターン就職するのは三割(千人)ほど。特に嶺南地方は進学者の八割が県外を選択している。若い人をどう地元に呼び戻すかが課題だ。

 県内自治体は一六年度から、本腰を入れた人口減少対策をスタートした。県は百二十九事業に六十五億円の予算を計上。特定の専門分野を学んだ県外学生にU・Iターンを条件にした奨学金返還支援、県外在住の女性を中途採用しようとする県内企業への応援、子育て支援などを盛り込んだ。

 「早くに結婚し、早くに子どもを授かってもらうと、二人目、三人目の子もというケースも出てくる」と中村室長。県内の平均初婚年齢は男性三〇・四歳、女性二八・七歳。ただ、晩婚化は若者に経済的余裕がないのも原因といわれている。

 人口減少対策の「特効薬」は見つかっていない。どう施策を組み合わせていくか。知恵の絞りどころだ。

 (尾嶋隆宏)

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