福井

<課題、問う>北陸新幹線延伸 「厳しい」福井駅早期開業

2016年6月28日

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 再開発が終わり、生まれ変わった福井市のJR福井駅西口。一方、駅東口には「異例」の構造物が以前と変わらずそびえ立つ。二〇〇九年に完成した北陸新幹線の福井駅部(八百メートル)だ。「点」だった整備が、いよいよ「線」になる見通しが立ってきた。

 北陸新幹線は一九七三(昭和四十八)年、国の整備計画に定められた。四十年余りを経て、二〇一五年一月には政府・与党の申し合わせで金沢−敦賀間の開業時期を三年前倒しし、二二年度にすることが正式決定した。併せて与党検討委員会は二〇年度の福井先行開業の可否を検討。昨夏に「先行開業の可能性はある」との報告書をまとめたが、工期短縮や用地買収など課題の詳細検証が続く。

 だが、国土交通省は「敦賀駅までのさらなる前倒し開業の検討も含め、早期開業に最大限努力する」と二段階開業には否定的な姿勢を崩さない。用地の取得率も石川の71%(五月三十一日時点)に対し、福井はまだ22%(六月十六日時点)。県は年内に九割取得の目標を掲げるが、複数の県議から「三年前倒しすら厳しい」との声も聞かれる。

 一方、未着工区間(敦賀−新大阪)のルート選定も昨年八月から急展開を見せている。与党検討委は四月下旬、ルート候補として小浜−京都、米原、舞鶴の三案に絞り込んだ。

 小浜−京都を推す西川一誠知事は「時間短縮効果が大きく、料金が安い」などと主張する。滋賀県は建設費や早期開業を理由に米原、京都府は府内の南北格差解消などにつながるとして舞鶴を支持している。

 ただ、米原は運行主体のJR西日本が過密ダイヤを理由に「東海道新幹線への乗り入れは困難」と表明。小浜−京都に、舞鶴が対抗する形になっている。

 県の試算では、小浜−京都ルートは舞鶴に比べ距離で六十キロ短い百三十キロ、建設費も七千億円安い一兆三千六百億円。所要時間は十数分少なく、料金(福井−新大阪)も二千円ほど安くなるとして、県は優位性を強調している。

 国交省は今秋に事業費や所要時間などの調査結果を公表し、年内にもルートが決まる見通し。政府・与党はマイナス金利を生かした財政投融資の活用などを検討し、大阪までの早期開業を目指している。

 (山本洋児)

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 七月十日の投票に向け、舌戦が繰り広げられている参院選。北陸新幹線や原発、拉致、経済政策など県内の主な課題を、福井選挙区(改選数一)に出馬した三候補の考えなどを交えながら伝える。

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