福井

<闘う>(下)共産、社民、おおさか維新

2016年6月18日

◆野党共闘 思惑渦巻く

 「自公政権の暴走を食い止め、平和と安全、安心と支え合いの社会を取り戻す戦いになる」。福井市で八日にあった共産党県委員会の事務所開き。共産が推薦する連合福井事務局長横山龍寛氏(51)のメッセージが代読されると、五十人の党支援者から拍手が起きた。

 参院選では一九六二(昭和三十七)年以降、独自候補を立て続けてきた共産。直近三回の獲得票は二、三万票台と議席獲得には遠かったとはいえ、主張を貫く姿はかたくなと言えた。

 しかし今回は違った。一月ごろから共闘に動いた。民進党県連の山本正雄代表は「何度も要請を受けた」と明かす。国会勢力は一強多弱。昨年九月に安全保障関連法が成立し、共産は「戦争をする国に変わってしまう」と危機感を強めた。

 南秀一県委員長は二月、安保関連法反対で野党共闘できるなら、福井選挙区に公認で立候補を予定していた山田和雄氏(48)を降ろす覚悟もあると表明。他党との協調姿勢はかつてないものだった。民進、共産、社民の三政党が共闘に進んだ。

 南委員長は「野党は統一してくれという県民の強い気持ちがあった。政策の違いはあるが、戦争法(安保関連法)廃止を旗印に戦う」と話す。「うちにとって初めての勝てるチャンス」と表情は明るい。

 共産には一方で、したたかなもくろみもある。野党共闘による党のイメージアップだ。比例代表に回った山田氏は県内で「比例は共産に」と呼び掛ける予定。全国で同様な戦略を展開し、党の改選三議席の増加を目指す。

 横山氏をみこしに担ぐ今回の共闘を「あの時と同じだ」と振り返るのは、社民党県連の龍田清成代表。一九九二年の参院選では、連合福井事務局長だった龍田代表が社会党などの連合の会新人として自民新人だった山崎正昭氏、共産新人と三つどもえの選挙戦を展開した。

 この二十四年間で社民党の県内支援者は減ったが、龍田代表は「今回は共産が加わっての強固な野党共闘だ」と一つにまとまった反自民の受け皿の効果に期待を寄せる。福井選挙区で直近に自民候補が敗れたのは消費税3%導入直後の八九年。「アベノミクスの検証や再増税の延期による社会保障の財源など自民の矛盾を有権者に訴えたい」

 ただ、比例代表での票獲得を狙うのは共産と同じだ。比例で全国二人の当選を果たすには福井で一万二千票が必要とそろばんをはじく。生活者の視点で共闘する中で、党勢の回復を目指す戦略だ。

 一方、おおさか維新の会県支部は「政策、政治理念の違う党が共闘するのはありえない」と野党共闘には加わらなかった。比例代表で元県議の鈴木宏治氏(42)の当選を目指す。比例とはいえ活動は県内中心。大阪色が強い党自体より、候補者の個人名で票を投じてもらおうと意気込む。

 共闘を掲げる選挙区と、党公認候補を優先する比例代表。各党がそれぞれ思惑を抱きながら、参院選に挑む。

 =終わり

 (この企画は山本洋児、塚田真裕、尾嶋隆宏、北原愛、鈴木あやが担当しました)

<出馬予定者>

山崎 正昭 74 参院議長     自現<4>=公

白川 康之 59 幸福実現党員   諸新

横山 龍寛 51 連合福井事務局長 無新=民共社

主な政党の公約

新聞購読のご案内