福井

<闘う>(中)民進

2016年6月17日

◆人材不足、再生厳しく

 一年前の民主党(当時)県連の幹事会。「民主再生に向けた候補者選びを」。参院選に向けて独自候補の擁立を目指す方針を確認した会合で、山本正雄代表は力を込めた。だが、今回の参院選で民進党は、民主党時代を含めて初めて独自候補を擁立することができなかった。背景にある人材不足は深刻だ。

 候補者選定は昨夏から本格化した。党本部から「早く擁立を」との重圧もあったが、作業は難航した。意中の人の支援者など関係者の説得に奔走したが、なかなか聞き入れてもらえない。関係者を説得しても本人が固辞したこともあった。「政権与党だった時とは違う。厳しい」。選対委員長の野田富久副代表は交渉を振り返り、渋い表情を見せた。

 独自候補を見つけられないまま昨年十一月、最大の支援団体、連合福井の事務局長横山龍寛氏(51)が無所属での立候補を表明した。山本代表は「意中の人が手を挙げてくれた」と「身内」であることを強調。いち早く推薦を出し「公認並みの支援」を約束した。だが幹部からは「党内から出したかった」と本音が漏れる。

 民主党への逆風が吹き始めたころから人材離れが始まった。政権から降りた二〇一二年末の衆院選前には、当時県議だった鈴木宏治氏が離党。一〇年の参院選で福井選挙区の公認候補だった井ノ部航太氏は、一二年の県議補選に無所属で出馬。一四年末の衆院選では元職の糸川正晃氏が直前で出馬を取りやめ、県連代表を辞任した。次代を担うはずの三十代が相次いで党や県連を去った。

 態勢を一新した昨年、危機感を抱いた県連幹部らは組織強化に着手した。これまでは衆院の小選挙区ごとに設けた総支部を拠点にしてきたが、より細かく県内八地区に支部を創設。

 議員が地域に足を運び、街づくりや鳥獣害などについてリーダーと解決法を議論する「地域セミナー」も開いた。来年は政治塾の開催も視野に入れている。

 民進党として再出発し、党員サポーターの数も増加傾向にあるなど、復調の兆しがないわけではない。だが五月末、県連が発表した次期衆院選福井2区の公認予定候補は、横浜市出身の斉木武志氏。中央から紹介された、いわゆる落下傘だった。

 「最終的には福井2区の身内からは(擁立は)厳しいとの結論だった」。会見での幹部の言葉が、変わらぬ人材難を象徴した。再生への道筋は、まだ見通せない。

<出馬予定者>

山崎 正昭 74 参院議長     自現<4>=公

白川 康之 59 幸福実現党員   諸新

横山 龍寛 51 連合福井事務局長 無新=民共社

主な政党の公約

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