福井

<闘う>(上)自民、公明

2016年6月16日

◆油断や慢心、陣営警戒

 「本来なら最高の地位に就かせてもらい、どちらかというと一丁上がり」。現職議長としての選挙になる自民の山崎正昭氏(74)は、四月下旬の事務所開きで出馬に迷いがあったことを打ち明けた。

 「自民王国」と言われる福井。人材は豊富。党県連が山崎氏の党本部への公認申請を決めた昨夏前までは、県議ら複数の後継候補の名前が挙がっていた。県連幹部は「年齢的にも立場的にも引退すると思っていた」と振り返る。

 それでも市議会、県議会を経て国政に出た山崎氏。地元の実情に詳しく、たたき上げの政治家として手腕には定評がある。県内の首長らは声をそろえる。「実力はナンバーワン」

 その声に応えるように山崎氏は「生涯現役」を宣言。健康面にも問題はない。北陸新幹線や中部縦貫自動車道、地方創生など県政課題は正念場を迎える。仲倉典克・県議会議長は「地元が中央要請で最も頼りにしていると言っても過言ではない」と話す。

 六年前の選挙は、野党として臨んだ。岡田高大・大野市長は今回の事務所開きで違いを感じた。「来られる方が非常に多い」。影響力の大きさが如実に表れていた。

 党籍を持つ県内地方議員は、野党時代から一割ほど増え、昨年末で二百十九人となった。県選出の国会議員は全て自民。党三役や大臣もおり、政治力は過去にないほど高まっている。推薦を決めた公明党員の票も織り込め、陣営は勝利という結果はもちろん、得票率を意識する。

 ただ、複数の県議からは「選挙の熱がない」との懸念も漏れる。野党共闘について、陣営関係者は「経験したことのない戦いになる」と警戒する一方、油断や慢心も感じ取っている。仲倉議長は「現職の参院議長で、大丈夫という気持ちが県民にあるのも事実」と認める。

 消費税導入後にあった一九八九年の参院選福井選挙区では事前の予想と違い、自民候補が一万票差で敗れた。昨年十一月、いち早く山崎氏の推薦を決めた県農政連。山田俊臣会長は、引き締めを図ろうとこう強調する。「選挙は、ふたを開けるまで分からない」

 衆参同日選の可能性が消え、一時は締まった雰囲気も再び緩んだ。加えて特定秘密保護法や集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法の施行など、安倍政権の強引な姿勢に懐疑的な無党派層もいる。

 政治とカネの問題もなくならない。県関係国会議員の一人は、中央政界の不祥事が地方に影響する可能性を「少なからずある」とみる。

<出馬予定者>

山崎 正昭 74 参院議長     自現<4>=公

白川 康之 59 幸福実現党員   諸新

横山 龍寛 51 連合福井事務局長 無新=民共社 

     ◇

 参院選(七月十日投開票)の公示が一週間後に迫った。福井選挙区(改選数一)は、与党に野党が共闘して挑む構図。各政党の「闘う」姿に焦点を当てる。

主な政党の公約

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