福井

最も重視の課題は「雇用・経済」 啓新高校3年生

2016年6月12日

 「ガソリンが安くなった」。啓新高校(福井市)の三年片岡俊貴さん(17)は、運送会社に勤める父親がこう話すのを聞いた。二年ほど前までは中東情勢の緊迫化などで原油が高騰し、国内のガソリンや軽油などの価格も高止まりしていた。最近こそ上昇傾向とはいえ、当時よりは安い。「会社にはプラスになる。お父さんを見ていると、以前よりは景気が良くなったかなと思う」と、経済情勢が気になるようだ。

 「景気は緩やかな回復を続けている」。日銀福井事務所は五月中旬、県内の経済情勢の基調判断を示した。個人消費の持ち直しや設備投資の増加などを理由に挙げる。年四回公表する基調判断は昨年五月以来、同様の表現が続いている。

 同校三年生へのアンケートでは、政治に重視してほしいテーマを択一式で聞いた。最も多かったのは「雇用・経済」(31・9%)。進学や就職を控える中、「子育て・教育」(16・0%)や「外交・安全保障」(12・2%)よりも身近な関心事のようだ。

 「大卒でも就職が難しく、非正規社員が増えていると言われる。大人として自立するのが難しそう」。三年戸川徹朗さん(17)は将来への不安を口にする。正社員として働く高校の先輩からは「夜勤もあるが、子どもや妻のために頑張っている」と聞いた。「正社員でもそんなに頑張らなければいけないなら、非正規の人はどうなるのか」

 若者を取り巻く経済状況は、進学指導にも微妙な影響を及ぼす。三年生の五割強が大学や短大などに進む同校で、生徒の相談に乗る普通科長の芳川功主幹教諭(55)は近年、奨学金の利用の呼び掛けを控えめにしている。返済できない若者の増加が社会問題化しているからだ。「必要以上に(利用を)たき付けるのはどうなのかと思う」。家計などを理由に県外の進学先を選ぶ生徒が減っている、とも指摘する。

 社会に出る生徒には、雇用や経済問題以外にも視野を広げてほしい。とはいえ、関心が集まるのも理解できる。芳川教諭は十八歳選挙権を「いろいろと考えるきっかけにしてほしい」と願う。

 (平野誠也)

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