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能登半島地震特集

定点ルポ(5)被災地を歩く 『店直しても…』

建物の取り壊しで一層さびしくなった商店街=石川県穴水町川島で

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穴水町川島

店主は高齢化 後継者いない商店街

 古里の石川県穴水町に勤務して三年。通信部近くの同町川島は、町内唯一の商店街だ。幼いころの記憶をたどると、秋の大市など大勢の人でにぎわっていた。それが今では閑散としていたが、地震がさらに追い打ちをかけた。

 のと鉄道穴水駅方面に商店街を向かう。地震の日、水道もガスも止まり、炊き出しですしを振る舞ったすし店店主の妻(57)に声をかけた。「今でも揺れている感じがする」と嘆き、耳鼻科に通院している。向かいのスナックは取り壊され、さら地になった。

 ボリューム満点の肉料理が評判だったレストランは半壊となり、閉鎖したまま。店主の男性(65)は「店を直して再開したいけど、やっても後十年。はたして採算ベースに乗せられるか」と自問する。いずれの店も店主が高齢化し、後継者がいない中での震災だった。

 商店街に活気を呼び込もうと、町おこしの中心を担ってきた靴店店主の男性(46)を訪ねた。あの日、商店街で初めて、焼きガキを振る舞うイベントを企画した。イベントは当然、中止の憂き目をみた。

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 「皮肉やったねえ」とポツリ。それでも「『災い転じて福となす』って言葉を呪文(じゅもん)のように唱えとりん」と笑う。割れたガラスの代わりに透明なビニールシートを張った店内で、新たなアイデアに思いを巡らせる。

 店が半壊した男性(54)は「(取り壊し工事用の)トラックばかりが幅をきかせとる」。店主のやるせない表情にうなずくしかなかった。 (穴水通信部・島崎勝弘)

 =おわり

 

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