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能登半島地震特集

定点ルポ(2)被災地を歩く 輪島市門前町道下

被災家屋が取り壊され、更地が目立つ道下地区=石川県輪島市門前町で

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『空き地ばかりに』

取り壊し進む家屋 道に人影少なく

 「バリバリッ」。パワーショベルの音が静かな住宅地に響く。東西に五百メートルほど延びる通り沿いで、取り壊し中の家が四軒、五軒。もう更地になった敷地も多い。

 被害が大きかった石川県輪島市門前町道下。被災直後、被災者の声を伝えようと何度も往復した道を五月九日、久しぶりに歩いた。泉靖郎区長(73)は「向こう三軒も取り壊しが決まっている」。寂しそうな表情を見せた。

 一部損壊した家で一人暮らしを続ける無職男性(82)は「周りが空き地ばかりになる」と不安を口にし、半壊した自宅を取り壊す予定の会社員女性(44)は「市が空き地を買い取って、田舎に住みたい人に安く提供してほしい」と訴えた。

 道を行き交う人も少なくなった。三月末、家財を運び出そうと傾いた家で作業をする人がいた。四月下旬まではボランティアやマスコミが行き交った。この日、目立ったのは住宅の修理業者。ボランティアやマスコミの姿はない。

 住民の多くは農作業中だった。トマトの苗を植えていた女性(73)は「土を触っていると気が紛れる」と手を動かす。移り住んだ仮設住宅からも田畑に通う人が多い。

 避難所だった諸岡公民館。三月二十五日夜は三百人で埋まった。入り口に積まれていた救援物資は消え、廊下の仮設電話だけが名残をとどめる。ただ一人いた女性職員は「避難所が閉鎖された後、訪れる人はほとんどいない」と話した。 (報道部・高橋雅人)

 注 住宅の損壊状況は記者が歩いて聞き取り調査した結果による。家人不在などは不明とした。

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