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能登半島地震特集

倒壊の被害 町屋に集中 建築学会が調査

 能登半島地震で倒壊した建物は古い木造家屋や倉庫、納屋に集中し、鉄筋コンクリートや鉄骨の建物には被害が少なかったことが分かった。日本建築学会が十三日、石川県野々市町の金沢工大で開いた速報会で明らかにした。木造家屋でも一九八一(昭和五十六)年に導入された新耐震基準を満たした建物の被害は少なく、これ以前に建てられた建物の耐震性が課題として浮き彫りとなった。 (報道部・高橋雅人)

現行建築基準満たせば軽減 老朽建物の耐震課題に

 同学会は、三月末から四月末にかけて、石川県輪島市、穴水町の被害の大きかった地区ですべての建物を調査した。その結果、全壊建物は輪島市門前町の道下地区で百六十七棟(全体の39%)、総持寺周辺で百四十二棟(同24%)、黒島地区で九十四棟(同26%)に上った。穴水町の大町、川島地区では三十棟(同4%)だった。判断基準が異なるため、罹災(りさい)証明書に記される自治体の調査結果とは一致しない。

 さらに、被災建物二十二棟を図面などから詳しく調べたところ、特に被害の大きいのは、土塗り壁などのある古い木造家屋や店舗併用住宅で、玄関から奥へ通じる通り庭や屋内廊下がある町屋建築だった。前面の道路と平行する壁が極めて少なく、木造家屋でも、現行の建築基準法が定める壁の量の70%を満たしていた建物は大きな被害がなかった。

 また、鉄筋コンクリートの建物については、被害が小さかったことから、耐震補強の効果が試されるほど大きな地震動ではなかったとした。地盤が揺れる周期が建物が持つ固有の周期と一致する共振が起こらなかったためという。

 北陸支部災害部会長の金沢工大の後藤正美准教授は「古い木造建築をいかに維持管理していくかを学会として取り組んでいきたい」と総括した。

 

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