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能登半島地震特集

『首相、助けて!』 輪島 被災者、視察に悲痛な叫び

倒壊した家屋の前で梶輪島市長(左)の説明を聞く安倍首相=13日午後、石川県輪島市門前町道下で

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 「助けてください」。冷たい雨が降る被災地で、車を降りた安倍晋三首相に、年老いた女性が悲痛な願いを訴えた。十三日、能登半島地震から三週間近くを経て、被害の大きかった石川県輪島市を首相が初めて視察した。住宅再建や商売の再開、今後の生活費などさまざまな不安の訴えに、首相は支援を約束した。被災者たちは安堵(あんど)する一方、「もっと早く来てほしかった」との声も聞かれた。(報道部・加賀大介、青木真、高橋雅人、富山支局・北山真由子)

住宅再建 商売再開 年老いて… 

 「この地区は高齢者が多い。ローンを組んだことのない人もいる。家を直すにも年金だけではやっていけない」。三十八人が避難する同市門前町の諸岡公民館で、渋谷みつさん(65)は訴えた。「公営住宅の建設も含めて考えます」と首相。同行した谷本正憲石川県知事も「仮設住宅で暮らして、自宅をどうするかゆっくり考えて」と声を掛けると、渋谷さんはほっとした表情を見せた。

 総持寺通り商店街で、首相は多くの商店や住宅が倒壊した様子に目を見張った。大きく傾いた酒店の前で「頑張ってください」と住民と握手。通りの入り口にある曹洞宗大本山の総持寺祖院も訪れ、参詣者らが復興を応援し贈ったメッセージ入りの瓦を紹介されると、自らも「復興へ 安倍晋三」と書いた。

 同商店街で衣料品店を営んでいた下口洋子さん(61)は、店舗兼住宅が全壊した。下口さんは避難所の門前会館を訪れた首相に「店の再建だけでも数千万円かかる。元本は仕方ないとして利子だけでも国で肩代わりしてほしい」と、緊張した面持ちで求めた。首相が「無利子の中小企業向け融資を利用できるようにします」と答えると、「どうしても聞いてほしかったんです。よかった」と、ようやく笑顔をみせた。

 しかし、首相が同会館を最後に視察を終えたのは午後七時近く。すでに倒壊家屋などの片づけも進んでおり、被災者たちからは「こんな暗くては、何も見えんやろ」「もっと早く来て、地震直後のひどい様子を見てほしかった」との声も多かった。避難所で首相と握手したある女性は「やわらかくてきれいな手やった。でも、重い物を持ったことのない手やね」と、ぽつりと漏らした。

 

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