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能登半島地震特集

法被が温めた被災者心 能登半島地震

返ってきた法被と手紙を喜ぶ門前高の生徒たち。左から小幡さん、柴田さん、長手さん、岡本さん、竹島さん=11日、石川県輪島市の門前高校で

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 被災者の心をつなぐ法被−。能登半島地震で被災し石川県輪島市門前町の小学校校庭に避難し身を寄せ合っていた老夫婦に、「寒くないように」と地元の女子高生がかけた法被が11日、感謝の手紙とともに生徒の学校に戻った。3月25日の地震発生から17日ぶり。きれいにたたまれた法被を手にした生徒は「こんなに人から感謝されて、うれしい」と涙ぐんだ。 (富山支局・北山真由子、報道部・青木真)

避難のお年寄りにかけた1着

感謝の手紙とともに門前高女生徒に戻る

 地震発生直後、同市門前町清水の和田寅雄さん(86)と妻しずさん(80)が心細そうに身を寄せ合っていた門前東小の校庭に、向かいの門前高校から柴田明日香さん=二年=ら五人も避難してきた。「ゆきわり草祭り」で披露するよさこいソーランの練習中だった。寒さと恐怖で震える和田さんらお年寄りを見かね、数人の肩にそれぞれが着ていた法被をかけた。

 十一日朝、一人の女性が門前高校を訪れ、法被の入った袋を事務員に手渡した。「手紙が入っているので、校長先生に渡してください」と名前も告げずに去った。手紙は便せん三枚に「本当にありがとうございました。一生の思い出、大切に頑張ります。清水(和田)」などと書かれていた。

和田しずさん

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 法被を返しに来たのは和田さんの親類の女性だった。校庭にいた和田さん夫妻は女性の車で寒さをしのいだ。その際に和田さんが車内に置き忘れた一着の法被を女性が洗濯し、手紙を添えて届けたのだった。思いがけず法被と再会した柴田さんたちは「あの時、不安そうなお年寄りや子どもたちを見て、高校生の自分たちがしっかりしなきゃと思って」と喜んだ。

 しずさんも当時のことを覚えている。「『どこに返したらいいの?』と尋ねたら、『返さなくていいよ』って。うれしかった」。自分が着せてもらった法被は大切に持っている。今は風邪で体調が不十分だが「元気になったらお礼が言いたい」とほほえんだ。

 

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