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2019年度 中日ボランティア賞 受賞者紹介

2019年12月12日


 石川、富山両県でボランティア活動を長年続けている個人、団体をたたえる2019年度中日ボランティア賞(北陸中日新聞、北陸中日新聞社会事業団主催)の表彰式が12月14日、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で開かれる。石川県、富山県の受賞者(12人と14団体)の活動や喜びの声を紹介する。

石川県(5人と9団体)

米口敬次郎さん =加賀市

安全な登園 笑顔で導く

 加賀市の動橋保育園前で13年前から毎朝欠かさず、保護者の車の出入りを誘導している。

 きっかけは現在、中学1年生の孫が生後4カ月で入園したこと。園に面した市道は狭く、子どもたちが安全に登園するために誘導係が必要と考えた。

 午前7時40分ごろから、登園が一段落する同9時すぎまで、自宅から徒歩3分の園前に立ち、オレンジ色の誘導棒を振って園児の安全と車のスムーズな出入りをサポートする。雨の日も雪の日も続ける。

 「おはようございます」とあいさつする、かわいらしい園児たちの姿を見るのも喜び。「よう13年も続いたなあと思う。運動にもなるし、生きがいです」と柔和な笑顔を見せた。

津田孝司さん =金沢市

視覚障害 不安寄り添い

 視覚障害者を支援するNPO法人「ぴあサポート」の理事長を十五年以上務めている。視力が低下する難病「網膜色素変性症」の患者の相談に乗り、視覚障害者向けのパソコン教室なども開く。

 建築士として東京で働いていた三十九歳の時、自身も病気を発症した。目が見えなくなる不安を抱え「三年間、暗いトンネルにいたようだった」。

 同じ病気の仲間に出会って一転。生活の工夫や白杖(はくじょう)など道具の活用法を教わり「できる範囲でやろう」と意欲が湧いた。将来のことも考えられるようになった。

 「相談を通し、少しでもみんなの不安を減らしたい。今後、私の後を継いで活動する若い人が出てきてくれれば」と期待している。

岡野秀夫さん =羽咋市

介護施設で多彩一人芸

 介護施設で多彩な一人芸を披露して十六年。八月までに三百二十回を数える。

 羽咋市の羽咋郵便局に勤務していた三十二歳から二十二年間、津軽三味線の高橋竹翠(ちくすい)さん(金沢市)の元へ通った。「先生のおかげでここまでこれた」と感謝する。

 舞台の内容は自己流。三味線あり、歌あり、踊りあり、笑いあり。司会を含め、全てを一人でこなす。中でも人気は地元・羽咋神社の木やり歌と、相撲甚句。手拍子と歌で会場が一体となる。

 最後に一人ずつ握手すると、涙を流しながら「また来てくださいね」と言われることも。「三味線は手が動かなくなるまでできるのが魅力。最低でも四百回を達成したい」と力をみなぎらせる。

藤本徹さん =小松市

マグロ解体 施設で披露

 加賀市の児童養護施設「伊奈美園」で、にぎりずしのバイキングやブリの解体ショーを続けている。「子どもたちが『おいしい』と喜んでくれるのが、何よりうれしい」と自慢の腕を振るう。

 「伊達直人」を名乗り、児童福祉施設などに寄付するタイガーマスク運動が話題となった2011年。自分も何かしたいと思い立ち、翌年から年に1度の訪問を始めた。勤務先の小松水産からマグロやサーモン、甘エビなどを仕入れ、にぎりずしにして提供。約30人の子どもたちを喜ばせている。

 仕事でマグロの解体をしており、伊奈美園では数年に1度、ブリやマグロの解体ショーを披露。「魚のおいしさも伝えたい。できる限り続ける」と意欲を見せる。

松本園加さん =金沢市

地域とつながる楽しさ

 「楽しいから続けてこられた」。金沢市の諸江子ども会連合会の少年委員(ジュニアリーダー)として約五年間、地域の催しの手伝いや清掃活動に取り組んできた。

 印象に残っているのは、公民館の文化祭で目にした小さな子どもたちの笑顔。「自分たちが企画したゲームやスライム作りを楽しんでいる姿を見た時がうれしかった」と振り返る。

 地元に伝わる「諸江住吉おどり」にも率先して参加。「難しくない振り付けなので、みんなが踊れるようになって、地域の人同士がつながるきっかけになってほしい」と願う。「地域の活動を通して人と関わるのが好きになった。地域の人に育ててもらった分、自分にできることをやっていきたい」

お茶会グループ =珠洲市

小さな茶人 育てる決意

 珠洲市の「お茶会グループ」は、メンバー七人が個人やグループに分かれ、市内の飯田と上戸、正院の三保育所の年長児らに毎月一回、茶道の作法や日常生活でのマナーなどを指導する。世代間交流の機会ともなっている。

 角目(かどめ)憲子代表(73)は飯田公民館で年長児二十四人を指導。子どもたちは交代でお茶をたてて振る舞い合う。角目代表は「最初のころはすぐに足がしびれたり、落ち着きがなかったりしましたが、今では小さな茶人です」とほほ笑む。「子どもたちが仲良く過ごし、楽しくなるお茶会をと心掛けています」という角目代表。「子どもたちから元気をいただいています。私もまだまだ未熟。頑張っていきたい」と決意を新たにする。

上戸いかなてて =珠洲市

見守り訪問 伝統も学ぶ

 珠洲市上戸(うえど)小学校の全校児童二十七人でつくる。冬に地区の一人暮らしの高齢者宅を訪れ、一緒にかき餅作りを楽しむ。地域の伝統を学ぶとともに、高齢者の見守りとしての役目も果たす。

 活動を通じ、児童は高齢者が使う方言や、各家が名字とは別に持つ屋号に興味を持つように。二〇一七年から聞き取り調査を重ね、方言を読み札にした「口ぐせカルタ」や手作りの屋号帳を作成した。団体名の「いかなてて」は「どういたしまして」を意味する。

 積極的な世代間交流の取り組みは数えきれず、まちづくりの中心的な存在に。会長の三盃慧里子(さんばいえりこ)さん(12)は「地域のことがもっと好きになった。これからも活動は長く続いてほしい」と話す。

クラブパレットバレエ教室 =かほく市

かわいらしく舞い交流

 二〇〇五年からかほく市内の特別養護老人ホームを訪れ、かわいらしいバレエで楽しませている。バレエの後は、音楽に合わせた手遊びで交流も。一五年からは、たかまつまちかど交流館で月二回、地元の高齢者が見守る中、レッスンを披露する。発足は〇四年で、五歳から小学三年生の八人が在籍。十一月には市内での音楽イベントにもゲスト出演し、盛り上げに一役買った。

 指導する代表の伊藤静香さん(45)=金沢市=は「他世代交流として活動している。子どもたちは高齢者の前だと、あまり緊張はしないみたい」と目を細める。「これからもバレエを通じて、地域での出会いとふれあいを大切にしていきたい」

対面音訳「いずみの会」 =金沢市

見えない人に読み上げ

 「目の見えない人でも本を読むことができるように」と、視覚障害者のために本を読み上げる活動を一九九八年から金沢市泉野図書館で続けている。

 本に書かれている内容を音声にして伝える音訳を担当。文学作品の朗読とは異なり、中身を正確に、よどみなく読むのが大事。事前に読み方を確認する準備を欠かさない。

 会員は三十人で、結成当時から三倍に増えた。英語で書かれた書籍を読めるメンバーもいる。

 現在は音訳の利用に予約が必要。代表を務める安田(やすた)文子さん(69)は「ボランティアが常駐して、予約なしでいつでも本を読める環境をつくっていきたい」と利便性の一層の向上に意欲を見せる。

高階くれない太鼓 =七尾市

和太鼓で地元に結束力

 演奏技術を磨くだけでなく、和太鼓を通して、過疎化が進む七尾市高階(たかしな)地区の結束力を高めようと取り組む。

 結成は一九九六年。女性十五人がほぼ週一回、けいこを積む。地元の保育園児や小学生、障害者支援施設「青山彩光苑(えん)」の利用者らに演奏の指導もしてきた。八年前からは毎年、創作曲「高階のひびき」を住民約五十人で練習し、交流会で発表。高齢者から孫世代までが一緒に舞台に立ち、世代を超えた太鼓の輪が広がっている。

 リーダーの辻口和美さん(62)は「地域融和を掲げたわけでなく『やってみんか』と誘っているうちに交流が広がった。これからも健康なうちは続け、創作曲も引き継いでいきたい」と意気込む。

安宅曳船保存会 =小松市

木遣り音頭 継承へ奮闘

 文化庁の日本遺産に認定されている小松市安宅町の「安宅まつり」で披露される「木遣(や)り音頭」を、まつりに出る地元の安宅小学校の児童に毎年教えている。

 木遣り音頭は、江戸時代から明治時代にかけて寄港した北前船の乗組員から伝わった。まつりでは会員が、北前船を模して造られた曳船(ひきぶね)に乗って歌う。譜面がなく、難しい歌を子どもたちに継承しようと、二〇〇二年から指導している。

 指導役の和田哲於(てつお)さん(77)は「最初は自信がなさそうだった子も、まつり本番では笑顔で元気な歌声を響かせてくれる」と笑う。弥三谷(やそたに)章会長(73)は「伝統の木遣り音頭をこれからも継承するため頑張りたい」と話す。

押野じょんから保存会 =金沢市

豊作に感謝 踊り続ける

 豊作に感謝を表す踊り「押野じょんから」の普及に力を入れる。踊りは稲刈りや稲穂を干す動きを取り入れ、戦前まで受け継がれていた。地域の伝統芸能にしようと二〇〇五年に復活させた。

 会員数は六十四人。三年に一度開く「押野じょんから踊りの夕べ」は、八百人が来場する一大イベントとなった。

 会員の高齢化が進むため、毎年、小学三、四年生に踊りを教えたり、保育園に出向いて指導したりするなど次世代の育成にも力を入れている。

 竹田良雄代表は「少しずつ根付いてきたが、より多くの地区の人に踊りに親しんでもらって、地域の絆をつくる手伝いができたら」と意気込む。

野々市市家庭教育サポーター =野々市市

子育て中の親 助けたい

 二〇〇七年から野々市市内の保育園で年五回催されている園開放イベント「なかよしの日」で、親子を対象に子育てや家庭教育の相談会を開く。小学生までの子どもが親と一緒に参加できる行事をカレンダー形式にまとめた「ののいちこどもカレンダー」も作っている。

 代表の川上秀子さん(70)を中心に、現役ママから孫がいる人まで幅広い世代の二十人以上が活動する。サポーターの養成講座も開き、地域の子育て世代を応援するメンバーを増やしている。

 川上さんは「子育ては楽しい。つらい時や子どもへの関わり方に困った時、頼ることができる人が近くにいるのだと感じてほしい」と親に寄り添う思いを語る。

河南小学校おはなしパレット =加賀市

児童向けに読み聞かせ

 加賀市河南小学校で第二、四水曜の朝、一〜六年生の各教室を会員が訪れ、絵本や紙芝居を読み聞かせる活動を続ける。一九九九年度に始まり、本年度で二十周年の節目を迎えた。

 会員は児童の保護者だけでなく、子どもが卒業した後も進んで続ける人も多い。十七年目の石橋直子さん(59)は「同じ本でも学年によって反応が全く違うことがあって楽しい」と笑みをこぼす。

 十一月の図書祭りや十二月のクリスマス近くには、児童が希望する本を読み聞かせるなど特別な活動もある。「子どもたちからエネルギーをもらっている」と清水映美子さん(46)。北直子さん(41)は「次は何を読もうかなと考えるのも楽しい」と話す。

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