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北陸中日懇話会

挑戦できる場づくりを 富士通総研主任研究員の若生さん

 北陸中日懇話会の八月例会が二十二日、金沢市内であり、富士通総研主任研究員の若生幸也(わかおたつや)氏が講演した。国や地域、企業単位で作られた日本の規制改革制度の現状と課題について解説し、「自由度の高い挑戦のできる、失敗しても許される場づくりができれば北陸の新しい姿が出てくる」と地域や企業の制度活用に向けた方策を語った。(中平雄大)

規制改革の現状と今後について語る若生幸也さん=KKRホテル金沢で

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 昨年二月に(石川、福井県境の)国道8号で記録的な大雪による立ち往生が起きた。その後、著しい大雪が降った際のチェーン規制ができた。しかし規制の導入に当たって、チェーンをつけないと走れないのはどんな雪道かの検証や、企業や国民に与える影響の評価・検証が、まともにされていない。

 海外では規制を守るためにかかる企業や国民の負担費用をしっかり分析し、大企業よりも負担が重くなる中小企業への対応もしている。規制導入の段階で第三者機関が妥当性を判断する仕組みや、見直しを検討しやすいよう時限を決めた規制も導入している。

 地域単位では国家戦略特区や構造改革特区など、特区が乱立している。整理しないと地方創生は始まらない。国家戦略特区は二〇一六年の十地域から増えていない。全国展開された二十九件の規制改革事項のうち、特区から至った件数は五件のみ。改革の「実験場」としての特区は機能不全に陥っている。

 これまでの規制改革は個別案件に注力しすぎている。多くの人が共通して見てみたいと思う理想的な地域の将来像を自らつくるべきだ。結果を追い求めるだけでは新たな規制強化を見過ごすことになる。事件事故が起こらないと見直されない規制はおかしい。規制は工芸のようにデザインしていくのが本来の考え方だ。

 国の規制が変わっても運用レベルで変わらないこともある。地方の側も規制改革の場づくりが重要だが、その枠組みとなる「地方版規制改革会議」の実施は全国で六自治体のみで、極めて低調。規制改革や行政手続きの見直しの場づくりが、企業の事業運営環境を改善していく。企業側も新規事業創出に向けて「できない理由」でなく「できる理由」を探すマインドを、後ろ向きになりがちな法務・管理部門に求めたい。

  ◇     ◇     ◇

 次回は九月十九日に金沢市堀川新町のホテル金沢で、サッポロビール文化広報顧問の端田晶氏が「知って得するビール学」と題して講演する。問い合わせは懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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