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北陸中日懇話会

全国「空き寺」増 背景は 京都・正覚寺副住職 鵜飼秀徳氏

 北陸中日懇話会の七月例会が十八日、金沢市内であり、京都市右京区の正覚寺(しょうかくじ)副住職でジャーナリストの鵜飼秀徳氏(45)が講演し、各地で住職のいない「空き寺」が増えている現状などを説明。「空き寺が増えている裏には、人口減少や葬儀の簡素化などの死生観の変化がある」と指摘した。(小川祥)

中日懇話会で講演する京都・正覚寺の鵜飼秀徳副住職=18日、金沢市内で

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 鵜飼氏によると、全国にはコンビニの数よりも多い七万七千の寺があるが、そのうち推定で約一万五千〜二万が住職のいない「空き寺」とされる。実例として、かつて取材した長崎県の宇久(うく)島の状況を説明した。鯨漁で栄えたが、高度成長期以降に衰退し、「村の衰退と共に、島内の十一の寺のうち四つの寺は空き寺になっており、存続できる寺は五カ所しかない」と報告した。

 空き寺が増える理由としては、地域人口の減少によって檀家(だんか)が減り、葬儀や法事の回数も減って、寺の収入が不足していることなどを挙げた。住職を継ぐ人がいない寺も少なくない。

 さらに、支援する地元企業が減っている。災害で建物が壊れても、政教分離によって、国や自治体は原則、宗教法人に補助金を出せないことも、寺の存続を難しくしている。

 寺の消失が「地域の文化資産の消失につながる」とも指摘した。京都では、建物が老朽化し、寺が郊外に移転し、跡地がパチンコ店など商業施設になった例があり、景観の悪化が問題視されているという。

 一方、寺と無縁だった男性が定年で会社を退職した後に修行し、長野県の空き寺の住職になった明るい話題も紹介した。企業の研修などに寺を活用してもらうなどして人を呼び込み、過疎地域の寺を守っている。

 次回の例会は八月二十二日、金沢市大手町のKKRホテル金沢で開き、富士通総研主任研究員の若生幸也(わかおたつや)氏が講演する。問い合わせは、懇話会=電076(233)4643=へ。 

 

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