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北陸中日懇話会

若い世代のローカル志向 どう支援 東京集中「今後は逆転」

北陸中日懇話会の5月例会で講演する京大の広井良典教授=30日、金沢市内のホテルで

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広井良典・京大教授

 金沢市内で30日に開かれた北陸中日懇話会。京都大こころの未来研究センターの広井良典教授は、人工知能(AI)技術を踏まえて「令和の時代は地方分散、地域の持続可能性が最大のテーマになる」と語った。講演の要旨は次の通り。=<1>面参照

 金沢の街を久しぶりに歩き、その風格、高い文化性にあらためて関心した。人口減少時代、北陸金沢は今後の日本社会をリードする地方都市にふさわしい。

 振り返ると、昭和の日本は人口も経済も拡大した。平成がターニングポイントになり、人口が減少に転じた。令和は、その傾向が本格化する。日本の人口減少と高齢化の話題は英国でも取り上げられた。この危機をチャンスに変えていけるか、世界も注視している。

 日本の人口ピークは二〇〇八年の一億二千八百万人。予想では五〇年に一億人ほどになる。いろんな手だてを考えていく時代だが最も大切な視点は持続可能性。拡大や成長ではない。

 高度成長、人口増加の時代は、すべて東京に流れた。中央集権化が進み、求心力が高まった。東京が司令塔となり、一本の坂道を集団で上っていった時代。今後は逆の流れができる。若い世代のローカル志向だ。

 若者の内向き志向に批判があるが、的外れではないか。愛郷心を卒論のテーマにする学生もいる。今の日本を救う動き。それをどう支援できるか。ローカル人材を意識する必要がある。地元に残りたい学生の割合が増え、地方への移住も広がっている。高度成長期とは明らかに違う傾向だ。

 人口減少の背景には長寿よりも少子化がある。少子化の原因に女性の社会進出を指摘するのは違う。国際的にも女性の就業率が高い国の方が出生率が高い。北陸は仕事と子育てを両立する女性が多いが、出生率は地域差があり、東京が断トツで低い。東京に人口が集まれば集まるほど、日本の出生率は低下する。

 令和の時代、持続可能性を危うくするのは政府の借金。債務を将来に先送りするのは良くない。政府の財政が持ち直すのは都市集中か、地方分散か。日立製作所との共同研究で、AIは地方分散が望ましいと結論を出した。持続可能シナリオに導くには税収やエネルギー自給率、雇用など地方の経済循環を高める政策を継続的に行う必要がある。

 ◇ 

 次回は六月二十日、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で。金沢工業大SDGs推進センター長の平本督太郎さんを招く。問い合わせは、懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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