トップ > 北陸中日新聞から > 北陸中日懇話会 > 過去の講演要旨 > 記事

ここから本文

北陸中日懇話会

「信頼を大切に行政を」 西田北陸財務局長

北陸の財政・金融の政策や金融機関の実情などについて話す西田直樹北陸財務局長=金沢市のフラワーガーデンで

写真

講演要旨

 北陸中日懇話会の四月例会が十六日、金沢市内であり、北陸財務局の西田直樹局長が講演した。近畿財務局と金融庁で、地域金融機関の破綻処理や東日本大震災からの金融面での復興支援に携わった経験を振り返り、「信頼関係を大切にした行政に努めたい」と語った。(中平雄大)

 破綻処理と震災復興から学んだことは大きく二つある。一つは地域金融機関が金融仲介機能を安定的に発揮するためには金融機関自身が健全でなければならないということ。この思いは大変強く持っている。もう一つは、一人の人間や組織では解決できない難しい課題でも、地方自治体や経済団体、金融機関などの支援があれば解決できるということだ。

 地域金融機関の経営環境は、長期にわたる低金利環境や人口減少などの構造的な問題で厳しさを増している。金融庁は地域密着型金融をビジネスモデルとして確立してほしいとのメッセージを発信し、中小企業アンケートの結果や金融仲介機能の評価指標となるベンチマークなどを基に対話を進めてきた。北陸地域でも私自身が頭取や理事長と対話を続け、それぞれの経営努力を実感した。

 今の金融庁や財務局は経営者の役割とガバナンス(統治)が重要と位置付けている。金融仲介機能の発揮と将来にわたる健全性の確保は不可分一体の関係。いわば車の両輪。この両輪を円滑に回すのは営業現場では無理。経営陣がしっかりと回していくリーダーシップが必要だ。

 金融庁で地域銀行担当課長の三年目だった東日本大震災では、金融面での復旧・復興支援に取り組んだ。(発生当日の)三月十一日夜から翌日明け方にかけて、「被災者のために翌朝から店を開けてほしい」と北海道から関東までの地域銀行の頭取に一人一人電話をした。

 原発事故で多くが避難した福島の銀行の頭取からは「職員が行方不明になっている。経営判断としてできない」と断られた。途方に暮れて別の銀行の頭取に電話すると「その銀行の代理店業務をしてあげる」と言ってくれた。三年間で信頼関係ができていた。それが本当に役立った。財務局の若手職員に信頼関係が大切だと口酸っぱく言うのは、そういう実体験があるからだ。

     ◇

 次回は五月三十日に金沢市武蔵町のANAホリデイ・イン金沢スカイで、京都大こころの未来研究センター教授の広井良典さんが「人口減少社会のデザイン」と題して講演する。問い合わせは懇話会=電076(233)4643=へ。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索