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北陸中日懇話会

日朝対話へ今は準備を 蓮池さん拉致語る

24年間に及ぶ北朝鮮での生活について語る蓮池薫さん=19日、金沢市の金沢東急ホテルで

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 十九日にあった北陸中日懇話会で、米朝首脳会談後の北朝鮮の動きについて講演した新潟産業大准教授の蓮池薫さん。大学三年の時に新潟県の海岸で拉致されて二十四年間、北朝鮮で暮らした経験を語りつつ、拉致問題の解決に向けた思いを語った。

講演要旨 

 帰国して十七年目になった。われわれは帰ってきたが、その後何一つ進展していないという現実がある。

 北朝鮮は、核実験に成功し、永久に続けると言っていた核開発と経済建設を同時に進める「並進路線」を「経済一本路線」に切り替えたが、完全な非核化はありえないと思う。昨年、北朝鮮の外相が、非核化をしても核開発のデータは持ち続けると言った。

 非核化を全て解決してから日朝(会談)なんて、悠長なことは言っていられない。核施設の廃棄に合意して、核兵器を廃棄するような段階になれば、米国は当然経済協力のカードを出してくる。ここで日本の番が来る。核だけでなく、拉致問題も解決しなければ経済協力をしないという原則を守らなければならない。

 北朝鮮は二月の米朝首脳会談で、拉致問題は「解決済み」との姿勢を見せたようだが、拉致被害者の死亡報告書にはでたらめが多い。横田めぐみさんは一九九三年三月に自殺したと書かれているが、私は一年後に彼女と会っている。生存者がいないというのは、到底受け入れられない。

 柏崎中央海岸で開かれた花火大会の日に拉致された。その後の二十四年を振り返ってみると、早く日本に帰せと求めたのは最初の三〜四カ月だけ。「いいかげんにしろ」と脅され、死にたくないと思って黙った。反抗せず、言われるままに生きるしかないという諦めの心で過ごしてきた。

 他の被害者の皆さんとずっと一緒にいたわけではないが、誰がいるのかは徐々に分かった。十七年前、五人が日本に帰ったというのも、すぐに耳に入っているんじゃないか。そうだとしたら、大きな動揺が起きているだろう。

 北朝鮮は米国とも中国ともうまくいかず、日本に向かうのではという人もいる。可能性は低いが、無いとも言えない。日米で経済協力をする際も、拉致問題を解決しなければ合意しないようにし、北朝鮮にもメッセージを送り続けるべきだ。すぐに日朝の対話につながるわけではないが、今は準備の段階だ。

 ◇  ◇  ◇

 次回は四月十六日、金沢市藤江北のフラワーガーデンで。北陸財務局長の西田直樹さんを招く。入会などの問い合わせは懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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