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北陸中日懇話会

組織 透明な仕組み作りを 元厚労次官村木さん

自身の体験を交え日本型組織について話す村木厚子さん=13日、金沢市内のホテルで

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 北陸中日懇話会の二月例会が十三日、金沢市内であり、元厚生労働省次官の村木厚子さんが講演した。郵便不正事件で誤認逮捕され、百六十四日間の勾留生活を送った経験を語り、「困難があったときも、自分の運命は自分で決めると信じて対応していくことがとても大事」と呼び掛けた。

講演要旨

 事件から十年がたとうとしているが、経験したことと、刑事司法の問題や日本の組織の在り方について考えたことなどを話したい。

 関与を否定したのに、あっさり逮捕された。取り調べでは、話したことが調書になるのだと思っていたら全く違った。検事が必要なストーリーだけが書かれた。非常に驚いたのは、「執行猶予がつけば大した罪じゃない」と言われたこと。腹を立て、「あんたたちの感覚は狂ってる」と泣きながら訴えた。

 裁判で、同僚が違いますと一生懸命証言をしてくれたことが、無罪確定につながった。一番の反省は、刑事司法がこういうふうになっていると国民として全然知らなかったことだ。自分は収入のある夫がいたが、一家の大黒柱だったら長期間戦えるだろうか。

 検察に感じた課題は三つ。普通の国民と感覚がずれていくこと。次に、走りだすと修正が利かない体質。最後に、国民の期待に応えるためには多少の犠牲は仕方がないという感覚。「必要悪」という言葉には本当に気を付けないといけない。

 ただし、批判だけでは物事はよくならない。失敗を責める文化から、失敗から学ぶ文化に変わらなければならない。文書の改ざんも本人が喜んでやっているわけではない。隠せなければすごく楽。忖度(そんたく)も必要ない。できるだけ透明な仕組みをつくることが大切だ。

 刑務所の中には怖い人や悪い人がいると思っていたが、違った。薬を使う人のほとんどが暴力、性暴力の被害者だったりする。困っている人というのは、幾つかの困難が重なった人たちで、社会との関係が切れている人だ。

 SOSを心に抱えた少女たちを支援者とつなげる「若草プロジェクト」も、刑務所の中で見たかわいい少女の姿が忘れられずに始めた。厳しい状況を生き抜こうとしているのに、世間からは悪い子というレッテルが貼られる。そういう子たちを支援したい。

 ◇ 

 次回は三月十九日に金沢市香林坊の金沢東急ホテルで。新潟産業大准教授の蓮池薫さんを招く。問い合わせは、懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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