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北陸中日懇話会

平成の終わり思うこと 作家 保阪正康さん

「平成という時代の終わりに思うこと」の演題で昭和天皇について話すノンフィクション作家の保阪正康さん=14日、金沢市内で

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 北陸中日懇話会の十二月例会が十四日、金沢市内であり、ノンフィクション作家や評論家として活動する保阪正康さん(79)が講演した。「平成という時代の終わりに思うこと」をテーマに近代史を振り返り、「見えないところにどういうものがあるか分析することが、歴史を本当に解釈すること」と強調した。(寺田結)

講演要旨

 (一九三一年の)満州事変から十四年の間に、日本はたった一カ国で約六十カ国と戦い、平和な青い空は原爆の雲に覆われた。一方、敗戦して荒廃した状態から所得倍増政策が始まり、経済大国になるまでの期間も十四年。どちらも短時間でやってのけるエネルギーがある。この長所と短所が、昭和の時代には見事に現れている。

 平成は昭和の続きであり、平成を考えることは昭和を考えること。近代の歴史を肯定的、または否定的に捉えるだけではいけない。客観的に、先祖がどう生きてきたのか、上の者が持っている強さと弱さは何なのかを私たちが選んで次の世代に伝えていくことが重要だ。

 昭和と平成という時代の最大の特徴は天皇にある。(二人の天皇は)全く違うが、共通しているのは「皇統を守る」こと。昭和天皇は皇統を守る手段として、迷いながら戦争を選んだ。戦争が好きとか嫌いとかいう話ではない。彼が反省する姿を見ているから、今の天皇は国内外で追悼と慰霊を繰り返している。

 昭和は「天皇」「国民」「戦争」の三つのキーワードで語ることができる。平成は「天皇」「災害」「政治」。これからの時代は「天皇」「ナショナリズム」「科学技術」になる。今後、英国の王室と日本の皇室が中心になった「王室皇室サミット」が開かれ、公害や環境問題などについて議論することになるだろう。王室や皇室が何をすべきかが問われている。

 これからは新しい天皇が新しい考え方で時代をつくっていく。そのときに私たちはその考えを理解し、天皇と共に時代をつくることを考えていくのが大事。私たちは先達を敬いながらも、歴史を全て肯定するわけではないという考えのもとで歴史を見ていく。その姿勢が、明確に問われているのではないか。

 ◇     

 次回は来年一月十二日に金沢市本町のホテル日航金沢で。自民党総務会長の加藤勝信さんを招く。問い合わせは、懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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