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北陸中日懇話会

終末期 自分らしく生活 薬局「てまりグループ」橋本代表

自身の起業の経緯から今後の医療福祉の展望についてまで語る橋本昌子さん=20日、金沢市内のホテルで

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 北陸中日懇話会の十一月例会が二十日、金沢市内のホテルであり、石川県珠洲市出身で、県内を中心に調剤薬局を展開する「てまりグループ」(金沢市)の橋本昌子代表(57)が講演した。運営する有料老人ホームでのみとりの経験を踏まえて、終末期ケアでは「一人一人の人格を尊重しなくてはならない」と指摘。自身の事業に「認知症になっても終末期でも自分らしく生活できる地域づくりに貢献したい」と意気込みを語った。(嶋村光希子)

講演要旨

 薬剤師として長年勤務してきた。薬は重い病気を治せてすばらしい半面、副作用もあり、正しく使わなければ本当の貢献はできない。地域の人と直接顔を見て話せるような、地元に根差した薬局をつくりたいと思い、約十年前に起業した。「日本一親切な薬局」を目指している。

 父のがんや母の認知症をきっかけに、自分の親も安心して住める老人ホームをつくろうと思った。高齢やがん、認知症でも最期まで自分らしい暮らしをしてもらうため、医師や看護師、介護士、薬剤師ら多職種で支えたかった。そこで、みとりケアなど介護と医療の連携を実現できる有料老人ホームを立ち上げた。

 みとりで大切にしているのは人格の尊重。今までの生き方やその人らしさに敬意を払わなければならない。

 ホームでは、みとった後に「デスカンファランス」と呼ばれる話し合いをしている。今後より良いケアを患者さんに提供するため、良かった点や反省点を明らかにしている。不安だった介護士にも自信が付いてきた。人生の最期の尊い時間に携われることに誇りを持っている。

 日本は多死社会を迎える。人生の最期に近づけば近づくほど、医療にできることが少なくなる代わりに、ケアへの依存が増す。終末期には苦痛を取る医療が主となり、在宅では医師や薬剤師の役割が重要になる。

 みとり観は多様化している。現在多くの人が病院で死を迎えるが、自宅や介護施設でみとられる人も増えるだろう。死をどこでどう迎えるのが幸せか、価値観はさまざま。終末期医療に正解はない。一人一人の物語がある。

     ◇

 次回は十二月十四日、金沢市のホテル日航金沢で。ノンフィクション作家・評論家の保阪正康さんを招く。問い合わせは、懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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