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北陸中日懇話会

社会保障 政治に危機感欠如 ジャーナリスト鈴木哲夫氏

政権の内情を明かす鈴木哲夫さん=17日、金沢市内のホテルで

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 北陸中日懇話会の十月例会が十七日、金沢市内のホテルであり、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏(60)が講演した。安倍政権における最大の課題を「社会保障制度」と指摘。高齢者の貧困が深刻化する中、「政権が掲げる『全世代型社会保障』の言葉の裏をしっかりみないといけない」と述べた。(田嶋豊)

 内閣改造の顔触れを見ると、まさに守りの人事だと感じた。土台や骨格というが、主要ポストを変えない裏の意味はグリップしておかないと、やっていけないからだ。屋台骨の麻生太郎財務相、二階俊博幹事長、菅義偉官房長官の三人に気遣い、総裁三期目は不安定の中で進んでいく。

 少子高齢化に歯止めがかかっていない。社会構造はがらっと変わっていく。立命館大の教授によると、高齢者の貧困率は四人に一人以上の27%。生活に必要なお金が足りないのにどうやって生きていくのか。「人生百年時代」と振りまくが、みんなが元気といえるのか。医療費の負担増、年金受給年齢の引き上げなど、しわ寄せは高齢者に来る。それが実態だ。

 旧民主党政権時の二〇一二年に「社会保障と税の一体改革」と位置付け、国民も消費税増税に納得したが、使途を変更した。来年増税するかはぎりぎりまで分からない。参院選を控え、上げない可能性も残る。ただ社会保障の財源をどうするか。厳しい時代になるという認識、危機感が今の政治に欠如している。今やっておかないと、そのときが来てからでは遅い。厳しいことを言うのが安倍晋三首相の責任だと思う。

 憲法改正はなかなか厳しいと思う。公明の協力がないと、国会発議できないからだ。公明は昨年の衆院選で比例票が七百万票を割り惨敗。党勢の立て直しを図るが、沖縄知事選の結果を見て、党幹部は「(改憲は)絶対にやれない」と断言した。安倍さんが改憲に向け、何を仕掛けていくか。衆参ダブル選、あるいは改憲を諦めざるを得ない可能性もある。最大の壁は公明という気がしている。

 安倍政権は改憲と外交で求心力を保つが、北朝鮮問題では手詰まり感もある。外交が売りなら、ちゃんと主張すべきだ。ただ得意分野で失敗すると、批判も大きい。改憲と外交を声高に言うほどアキレス腱(けん)になる可能性があるとみている。

 緊張関係がないと権力は間違いなく腐る。野党がしっかりし、危機感があればこそ国民の声を聴く。野党は参院選をきっかけに対抗勢力をつくることが国民への義務だと思う。

     ◇

 次回は十一月二十日、金沢市の金沢ニューグランドホテルで。「てまりグループ」代表の橋本昌子さんを招く。問い合わせは懇話会=電076(233)4643=へ。

 

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