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やってます 変わり種採用

写真はいずれも提供。サイトアドレスから各社採用ページへGO!

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 プレエントリーに合同会社説明会。いよいよ就職活動が本格化する。でも、心の準備なんてまだできない。どんな仕事をしたいか分からない。黒いスーツ集団怖い…。そんな就活に不安を抱える皆さんに、ちょっと変わった採用方法をご紹介。例えば、マージャンが強い人がいきなり最終面接に行ける「マージャン採用」。筋肉ムキムキの人が応募できる「メロン肩採用」などなど。王道に、脇道に、回り道。仕事を得る道は一つじゃない! (堀井聡子)

釣り部採用(中央交通)

 魚と一緒に内定も釣れる? 名古屋市のタクシー会社「中央交通」は、面接として社員と一緒に船釣りをする「釣り部採用」を行っている。「釣れなかったら場所や狙う魚を臨機応変に変える釣り人と、タクシードライバーは同じ」というのが同社の主張だ。

 きっかけは、社長が大の釣り好きなこと。「正直言えば、話題づくり。マスコミの問い合わせの方が多いですね」と採用担当者は笑う。早朝に知多半島の港に集合し、社長がよく借りる船に乗って釣りをする。たまに社長が参加することも。社長の約70センチのタイの魚拓より大物が釣れればボーナスも支給する。

 新卒、中途不問だが、3月いっぱいで終了するので応募はお早めに。

ドラマ感想文採用(デュアルタップ)

 ベンチャー企業で夢をかなえようとする女性のドラマに、あなたは何を思った? 不動産販売「デュアルタップ」(品川区)は、ウェブ公開するオリジナルドラマの感想文を応募してもらう「ウェブドラマ採用」を約5年前から行っている。心揺さぶる感想文なら、役員面接に進める。

 ドラマのタイトルは「初心(はつごころ)」。同社がモデルの企業に入社した女性社員が、契約が取れず悩みながらも強くなろうとする物語。ウルッとくる俳優の演技に主題歌まであり、本格的だ。ベンチャーで働くイメージを持ってもらう狙いがある。担当者は「動画サイトでも公開しているので、今は採用というよりは会社を知ってもらうために公開している」。

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メロン肩採用(大熊工業)

 鍛え抜かれた筋肉で丸々と盛り上がった肩が自慢の人を募集する「メロン肩採用」。2017年から、建築会社「大熊工業」(東京都西東京市)が、土木事業部の応募者限定で始めた。「肩のすごいマッチョ、即、最終面接」のうたい文句通り、メロン肩の人は書類選考と1次面接が免除される。

 土木作業員はつらい肉体労働のイメージもあり人手不足。インパクトを持たせて業界に興味を持ってもらうのが狙いだ。「メロン肩の人はスーツ越しでも筋肉が分かります」と採用担当者。「メロン肩というほどでは…」という人には「体力のある人採用」も行っている。新卒、中途、経験の有無を問わず、通年募集している。

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いちゲー採用(面白法人カヤック)

 「一芸」ならぬ「いちゲー」。ウェブ制作会社「面白法人カヤック」(神奈川県鎌倉市)は、2017年からゲームがうまい人を募集する「いちゲー採用」を取り入れている。しかもプレイステーションのゲームをやりこんだ人限定の「プラチナトロフィー選考」、ゲームで培った経験をPRする「ゲーム履歴書選考」、応募者みんなでゲームを攻略する「協力プレイ選考」の3種類もある。

 同社のソーシャルゲーム開発部門を知ってもらうのが狙い。「どんなに極めてもゲームの話は普通の面接でしづらい。ゲームも、サークルも、部活も、頑張ったことなら同じはず」と担当者。プラチナトロフィー選考は、書類面接も免除される。

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マージャン採用(スターティア)

 マージャンに勝てば内定にリーチ! 情報機器販売「スターティア」(新宿区)は、就活生と社員、プロ雀士が一緒に卓を囲み、最も成績が良かった就活生が最終面接に進める「マージャン採用」を、2016年から始めた。2位以下も一部の面接が免除される。

 親会社の広報担当者は「マージャン好きで強い社員が多く、企業対抗の大会で優勝経験も。普通の面接ではなかなか分からないコミュニケーション力や、先を読む力が測れる」。例年、5人前後がマージャン枠で内定している。

 学生の口コミやネットで話題になり、これまで少なかった大学や地方からの応募者も来るように。マージャン大会後は社員との懇親会もある。

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今どき採用どう思う?

インターン先に就職 旭形(あさひがた)宙彦(ときひこ)さん(24)

じっくり見極める機会を

 金沢市の青果販売「薄井青果」の営業をしています。学生時代に半年間インターンシップ(就業体験)をし、若者に農業を体験してもらうプロジェクト運営の第一線に立ちました。経営の難しさを感じつつも、この体験から「食農分野でビジネスをしたい」と考え、他の企業は受けずにそのまま入社しました。いずれは独立するつもりです。

 自分が初めて入る会社なら、実際に働いてみるなどしてじっくり見極めたい。今の就活を否定はしませんが、学生時代からもっとじっくり考える機会があればいいと思います。 (都沙羅)

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金大3年 目指せ公務員 庄内梨香さん(22)

個性を尊重してくれそう

 普通は面接で内面を見られるのに、外見で鍛えているか判断する「メロン肩採用」は面白いですね。「マージャン採用」も、面接が苦手な人でも自分の得意分野をアピールできていいと思いました。

 今は、地元の秋田県の地方公務員を目指して勉強中。就活はみんな同じ髪形や黒いスーツで、似たようなことを言うイメージがあり、面接で自分の良さがちゃんと伝わるか不安です。でも、こうして個性を尊重してくれそうな採用方法もある。いろいろな入り口があって、選択肢が増えるのはいいですね。 (堀井聡子)

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会社名伏せた「アウトロー採用」企画

NPOキャリア解放区 納富順一代表

本音見えない…企業側も悩み

 ユニークな採用をする企業の担当者たちにその理由を聞くと「会社を知ってもらいたい」と口をそろえる。なぜ、こうした採用をする企業が出てきたのか。若者の就業支援をするNPO「キャリア解放区」(東京)の納富順一代表は「就活サイトを見ただけでは企業の違いが分からず、有名企業に応募しがち。中小企業がユニークな採用で目を引こうとしている」と話す。

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 キャリア解放区では2013年から、就活制度に違和感を持つ若者と、会社名を伏せた採用担当者たちを集めてワークショップを開き、就職につなげる「アウトロー採用」を行っている。会社説明会や度重なる面接はなし。先入観を無くし、人と人として向き合うことで、納得いく就職につなげるのが狙いだ。

 就活制度に疑問を持つのは若者だけではない。企業も学生の本音が見えず悩んでいる。「形式ばったやり方が果たして有効なのか。今の制度では就職ではなく就活させようとして、『就活生』を作り上げている」

 従来の採用でも、ユニーク採用でも、大切なのは自分の人生を自分で決めること。「やりたいことが就活で見つかるとは限らない。まずやってみて、失敗したら立ち止まり、またやり直せばいい」。ワークショップは東京、大阪、京都で年複数回開催している。

ほりいの深ほり

 釣りを仕事にしたいなら、釣り業界に就職するでしょう。でも、あえて本来の業務と異なる切り口で採用するのは、自分たちの業界や会社に興味を持ってほしいから。就活サイトでは、大手も中小も、老舗もベンチャーも、似たようなページに見えてしまう。納富さんは「情報が平準化されている」と言っていました。

 書類選考や面接では「選ばれる側」かもしれませんが、どの会社を受けるか「選ぶ側」でもあります。王道、脇道、回り道。自分の道を歩めるよう願っています。 (堀井聡子)

 

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